ブレイキングバッド【シーズン3・1話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン3・1話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】ネタバレ解説&感想!
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】の主なキャストは7人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンとホリーを持つ一家の主。年齢は50歳。ジェーンを失って、喪失感と自責の念に苦しむジェシーを支えようとする。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が2人。マリーの姉。年齢は39歳。ウォルターが数々の嘘を積み重ねていたことを知り、別居を申し出る。
ハンク・シュレイダー
マリーの夫。ウォルターの義理の弟。DEA(麻薬取締局)の捜査官。ウォルターの手術費を署内で募金する。コンボの射殺を受けて、ハイゼンベルクがニューメキシコ内にいることを確信する。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。ホリーのお世話をする。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。ジェーンを失い悲嘆にくれる中、ウォルターに連れられて集団セラピーを受ける。
ソウル・グッドマン
犯罪に強い弁護士。下品な冗談をまくしたてる口達者な男。ジェーンの後始末をマイクに依頼する。
マイク
用心棒。ジェシーの家の証拠品をくまなくバッグに入れて持ち去る。
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】のあらすじを確認しましょう。
スカイラーに今までの嘘がバレたウォルター・ホワイトは、別居を余儀なくなされる。事の深刻さを悟ったスカイラーはウォルターに離婚を申し出るも、ウォルターは納得がいかない。集団セラピーから戻ってきたジェシーの言葉を受けて、自分は犯罪者ではないと自覚したウォルターは、ガスに麻薬ビジネスから手を引く旨を伝える。しかし、双子のタフガイが刻一刻と近づき迫っていることを、ウォルターはまだ知らない。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】の解説ポイントは3つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- 物事の明るい面を見て正当化するウォルター
- 集団セラピーを受けて、悪人であることを自覚するジェシー
- 犯罪者ではないと自覚するウォルター
物事の明るい面を見て正当化するウォルター
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※飛行機の衝突事故を報じる新聞
1話の中で、管制塔で働くジェーンの父親が、飛行機の誘導ミスで起こした事故は、またたく間にテレビ各局で取り沙汰されるニュースとなりました。
総勢167名の死者を出し、行路の下の家々に死体やその一部を雨のように降らせたその事故を通じて、心を痛めた学生たちと教師が体育館に集まって、お互いの意見を交換します。
そこで多くの悲しみが語られる中、マイクを渡されたウォルターは、物事の明るい面を見よう、と語り始めます。
今回の飛行機事故よりも悲惨な事故は過去に何回もある、今回の事故は地上での犠牲者は0だった、などのプラス面に目を向けるべきだと急き立てるように話します。
そして、過去を忘れて生き延びるために前進することが大事だと語り終えます。
ウォルターは、自分がジェーンを見殺しにしたことが発端となって起きた、この一連の出来事を真正面から受け止めることができず、他の要因やプラス面に認識をフォーカスさせて自己正当化をはかろうとしています。
文章単位で区切るといいことを言っているように聞こえますが、文脈単位で区切るとそこにはウォルターの自己充足性、自我の証明のような動機が読み取れます。
ウォルターが物事の明るい面を見て、今後どんどん悪い方向へと傾いていきそうな予感を抱いてしまう場面です。
集団セラピーを受けて、悪人であることを自覚するジェシー
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※酷い過去を語る講師
一方、1話ではジェシーは喪失感と自責の念に苦しめられ、集団セラピーの中でしばらく生活していました。
ある晩、中心の焚き火を囲うように座った講師と心を痛めた受講生の会話の中で、ジェシーは意見を求められます。
ジェシーは講師に向かって、エキスパートのように振る舞っているけどあんたは人を傷つけたことはあるのか?と咎めるような目つきを向けて聞きます。
講師は、娘を殺した、と語り始め、ある晩お酒が足りなくなり妻と口論になって、お酒を購入できる店が閉店まであと20分足らずと知ると、急いで車に乗ってエンジンをかけて走らせたが、目の前の道路で娘が遊んでいたのを確認せずに轢き殺した、と語り終えます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※講師の話を聞いているジェシー
あまりの酷い経験にジェシーは驚いて、俺だったら自分を憎むと言います。
長い間ずっと憎んださ、と返す講師は、でも自己嫌悪や罪悪感は何も生まなかった、余計にクスリや酒に手を伸ばすことになって悪化した、と語ります。
心の変化を妨げる壁にしかならなかった、と。
講師が言いたいことは要するに、自分を批判したり否定したりしても何も変わらない、かえってもっと悪い状況になるかもしれない、だからまずありのままの自分を受け入れることが大事なんだ、すると心は善き方へ真に変化していくから、ということですね。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターに自分を受け入れることを語るジェシー
ジェシーはその言葉を受けてから数日後、無事に自分の家に戻ることになります。
そして事故の責任は我々にはないんだと必死に説明して励ますウォルターに対して、ジェシーは自分と向き合い、自分がどういう人間か学び、事実をありのまま受け入れる、と言い渡します。
俺は悪人だ、と。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※悪人を自覚したジェシー
講師はありのままを受け入れることにより善い方へ変化することをジェシーに言いました。
しかしジェシーはありのままを受け入れることにより悪い方へ変化していこうといています。
同じ”受け入れる”という行為が、別の方向へ行ってしまう、なんとも悲しい心の動きです。
犯罪者ではないと自覚するウォルター
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ガスに手を引くことを話すウォルター
一方、ウォルターはジェシーの言葉を受けてか、あるいはスカイラーから離婚を申し渡されたためか、ガスに直接会って麻薬ビジネスから足を洗う旨を伝えます。
人生を変えようと思ってね、現実に直面して目が覚めた、私は犯罪者ではない、違うんだ、と。
それに対して、ガスは3ヶ月で300万ドルで取引を結ぼうと提案しますが、ウォルターは一瞬ためらいを見せるも即断ります。
そして、ガスは引き下がります。
ウォルターはシーズン3の1話以前にも何回か麻薬ビジネスからの引き際に立たされました。
しかし結局は引くことができずにまた麻薬ビジネスの世界に引き戻されていきます。
しかもすべて”家族のため”に引き戻されることになったのではなく、”自我の要求”や”外界からの圧力”で引き戻されてきました。
シーズン3に入って、また引き際に立ったわけですが、本当に引くのかどうかは疑わしいですね。
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン3・1話】を視聴してみて、漫画チックな描写とリアルな描写がうまく編み込まれて独特なリズムを作っているところが好きだなと思いました。(ネタバレ込み)
- 謎の双子の描写が漫画チック
謎の双子の描写が漫画チック
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターを追う双子
シーズン3の1話では、ハードボイルドな双子の男がウォルターの命を狙うべく、メキシコからアメリカのニューメキシコへと徐々に迫ってくるシーンが冒頭と最後に入ります。
双子は無口に表情を緩めることもなく、スーツをバシッと着こなし黙々とある館に向かいます。
そこにはカマを持った骸骨の死神や赤いロウソクや真っ赤な花が供された祭壇があります。
双子はハイゼンベルクの似顔絵を祭壇の壁に貼り付けます。まるで呪い殺そうとでもするかのように。
そして、1話の最後には荷台の人々を無表情に撃ち殺し、トラックを燃やして歩き去っていきます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※トラックを燃やし立ち去る双子
これらのシーンはとても漫画チックなんですよね。
ハードボイルドな双子の殺し屋、なんて漫画に出てきそうなキャラクターです。
一方で、ウォルターやハンクを巡るアルバカーキでの生活シーンはとても細かくリアルです。
その様相を異にする2つの描写がうまく編み込まれて独特のリズムを作り上げているんですよね。
僕が飽きずに見られるのも、そういうリズムの変更(非一定化)がされていることが1つ要因としてあると思います。

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