ブレイキングバッド【シーズン4・5話】のネタバレ解説&感想、あらすじ、キャストをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン4・5話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1のキャストだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】の主なキャストは10人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンとホリーを持つ一家の主。シュレイダー家に夕食に誘われた際に、ハンクからゲイルの話を聞かされて焦ってジェシーに会いに行くも追い返される。ジェシーが作業に顔を出さなくなったのがガスの仕業だと気づくとカメラに訴えかける。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が2人。マリーの姉。つじつま合わせに奔走する。シュレイダー家のディナーでハンクに台本まで用意して練習した筋書き通りの経緯を伝える。
ウォルター・ジュニア・ホワイト
ウォルターとスカイラーの子供。ウォルターと同じ学校に通う高校生。軽度の運動障害と脳性麻痺を抱えている。松葉杖を使って生活をしている。父親がギャンブルで大金を稼いだ話を聞いて驚く。
ハンク・シュレイダー
マリーの夫。ウォルターの義理の弟。DEA(麻薬取締局)の捜査官。ティムから渡された資料を見てゲイルがハイゼンベルクだったと勘違いする。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。ハンクが部屋に閉じこもるためか、ホワイト家を夕食に招く。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。生活がみるみる退廃していき、それを危険視したマイクに車で連れ去られる。
ソウル・グッドマン
犯罪に強い弁護士。下品な冗談をまくしたてる口達者な男。ハンクがゲイルとジェシーの接点に思い当たれば危険な状態になると心配しているウォルターに相談される。
ガス・フリング
ジョスポジョスのオーナー。裏では麻薬ビジネスの元締め。麻薬カルテルの報復とジェシーの退廃した生活の2つの問題に挟まれるのを懸念して、先にジェシーの方に手を打つ。
マイク
用心棒。ジョスポジョスのトラックの荷台に護衛のため潜伏していると、麻薬カルテルに襲われる。堕落したジェシーを連れ去る。
ティム・ロバーツ
ハンクの同僚の麻薬捜査官。ハンクにゲイルの資料を渡して、犯人つながるようなことを見つけたら教えてほしいと協力をあおぐ。
ここから先はネタバレを含んだあらすじや独自の解説&感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】のネタバレあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】のあらすじを確認しましょう。(ネタバレ込み)
ジェシーがガスの思惑で連れ去られたことを悟ったウォルターは、車をかっ飛ばしてガスのいるリョスポリョスに急いで向かっていた。道中、自分の生命の危険を予感したウォルターは家の留守電に愛していると残す。店に着くと、ガスが出てくるまで店内のテーブルに居座り、そのことを店員から連絡を受けたガスがマイクに連絡をしたのか、ウォルターはマイクから電話を受け事情を知らされる。ジェシーの安定した声を聞いたウォルターはひとまず高ぶった気持ちを落ち着けて店をあとにすることに。家に帰ると、ウォルターは洗車場買収の契約書にスカイラーとともにサインをする。2人は自分たちが1つの会社を買収したという実感に高揚感を覚え、高級ワインをグラスに注ぎ、カランと音を立てて乾杯する。その際、再生した留守電からウォルターの愛の告白を聞いたスカイラーは気持ちをさらに高ぶらせる。2人はベッドに入り激しく交わり、スカイラーはどうせなら家に戻ってこないかとウォルターに提案する。ウォルターが家に戻り、ホワイト家が再び1つの家族としてのまとまりを取り戻したように見えた矢先、ウォルターはシュレイダー家のディナーでハイゼンベルクについてのヒントをハンクに与えてしまう。それを聞いたハンクは、ハイゼンベルク=ゲイルという自分の思い込みを疑い始め、ティムに捜査官として第一線で職務を全うすることから身を引くつもりだと言っていたにも関わらず、再びハイゼンベルクに関する資料に目を通し始める。それを見たマリーは、ハンクがもとのハンクに戻りつつあることに安心する。
一方、マイクに連れさられたジェシーは自分が始末されることをはじめ疑っていたが、マイクの集金につきあわされていると分かり、少し気持ちを落ち着かせていた。自分が護衛役に買われたと思い込んだジェシーは、マイクが集金のために車を離れている間、車の見張りを自らかってでる。昼が過ぎ、夕闇が辺りを覆い始める宵に、ジェシーは少し飽きもしながら車の中でマイクの集金の帰りを待っていると、後ろから銃を片手に近づく男がいるのをフロントミラー越しに目にする。ジェシーは襲われる危機感を抱いたのか、車のアクセルを思い切り踏み込み、ハンドルを片手に後方を振り返りながら車を全速力でバッグさせる。後ろの男はとっさに避けたが、ジェシーの車はそのままバッグし続け、先に駐車してある車の側面に激しく衝突したのち、ハンドルを切って逃走する。マイクはその去り際に戻って、ことの次第を目撃して、1人徒歩で帰りながら仲間の誰かに電話をして別の車を要求しようとしたが、男を振り切ったジェシーがマイクの横に車をつける。ジェシーはマイクに事情を説明してマイクに運転席を譲り、マイクはジェシーを見て手柄を褒める。しかしこの一連の出来事はガスが意図して練り上げたものだった。
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】の解説ポイントは3つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ガスがジェシーに手柄を与えた理由は?
- スカイラーがウォルターを家に再び住むように促した理由は?
- ウォルターがハンクにハイゼンベルクは他にいると言ってしまった理由は?
ガスがジェシーに手柄を与えた理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
5話では、ジェシーが男たちから集金したお金を守りきって手柄をあげますが、その一連の出来事がガスの策略によるものだったことが最後のほうに分かります。
ガスはビジネス仲間のチョウをさらわれたり、運送車を襲われたりするなど、麻薬カルテルから自身の弱点を探られていることにも気づいていました。
それに加えて、ジェシーの生活が堕落の底に陥ってるために警察に目をつけられてしまい、いずれ自分のもとへ足がついてしまう恐れも浮上します。
2つの危険を同時に処理することは難しいと判断したガスは、まずジェシーの問題からかたをつけることにします。
しかしウォルターの目がある限り、ジェシーを始末することはできません。またジェシーを脅して恐怖支配することをガスは望みません。
ガスは今までの経験から恐怖で支配するよりも自ら進んで仕事をするように自発性を刺激して従わせる方がかえって問題が起きず、持続的にビジネス関係を結ぶことができることを学んでいます。
ジェシーに対しても同じように”お前が必要だから新しい仕事を与えた”ということを実感させるために手柄を与えて、自発的にジェシーが仕事に打ち込み、堕落した生活やウォルターのコントロール域から自ら抜け出すように仕向けているのです。
そうすればジェシーは堕落からも抜け出し反抗的にもならず、うまくいけばウォルターとの関係も薄めるかもしれないんですね。
とても頭のキレるやり方です。
スカイラーがウォルターを家に再び住むように促した理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
一方5話には、契約書にサインをし見事正式にボグダンの洗車場を買収したウォルターとスカイラーが、ウォルターの残した留守電をきっかけにベッドで激しく交じり合うシーンがあります。
帰宅したジュニアの問いかけに対して、取り繕うように寝室から返事をするウォルターに、スカイラーはなんで返事したの?ハンクたちとのディナーのネタにされるじゃない?と半ば注意するようにウォルターに言いますが、
その少しあとで、だったら家に戻ってくる?と提案します。
スカイラーはハンクが暗殺者に襲われたことを受けて、責任感からマリーに治療費を肩代わりすることを提案します。
ウォルターがガンの宣告を受けて家族にお金を残したい一心からギャンブルに手を出して大金を稼いだという筋書きでマリーを説得します。
このときスカイラーはウォルターの共犯者になってしまいました。
共犯者になってしまった以上、ウォルターを拒絶するわけにはいかず、むしろウォルターと協力してつじつまを合わせなくてはいけません。
共犯者になった当初、それでもスカイラーはウォルターが家に戻ってくるのを認めませんでした。
しかし洗車場の買収をする上で、より親密な細かいつじつま合わせが必要になります。
スカイラーは、そもそも夫婦が別居していたら筋書きが不自然になることをウォルターに指摘されて、週に4日ほど夕食を共にすることを認めざるを得なくなってきます。
そして実際に洗車場を購入してみるとそこには高揚感があり、ウォルターが今までのことを反省したかのような愛の告白を留守電に残しているのを知ります。
そのようにしてスカイラーはもともとウォルターを拒絶していたのに、ハンクの治療費の肩代わりのためにウォルターの共犯者になり、筋書き合わせのためにウォルターと共にする時間を増やし、やがて犯罪者ウォルターそのものを理解して受け入れられるようになっていきます。
だからスカイラーはウォルターに家に戻ってもいいと言ったのでしょう。
ウォルターがハンクにハイゼンベルクは他にいると言ってしまった理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
スカイラーに家に戻ってきてもいいと言われたウォルターですが、(翌日そのことを聞いたジュニアが喜びを表して父親に引っ越しの日を聞く中)ジュニアが手に持つテッド・ベネキーと印字されているマグカップを見て少し不機嫌になります。
また、ジェシーが久しぶりに地下製造所に顔を出した際に、ウォルターは事情を詳しくジェシーから聞こうとするも、ジェシーはウォルターの心配とは裏腹にたんたんと事実を言って、またこのあともマイクと仕事に行くから、とそっけなく言い渡します。
これにもウォルターは不満気味の表情を浮かべます。
後日、ウォルターはハンクたちとの夕食で周りが話に盛り上がる中、どこか浮かない表情で黙々とワインを飲み続けます。
しかしウォルターは、ハンクがハイゼンベルクの正体はゲイルで、彼は紛れもない天才だった、脳の使いみちを正しいことに向けていたらと思うと惜しい、とみんなに言うのが聞こえると、少し笑ったあと口火を切ります。
ハンクそれは違う。ラボ・ノートは素晴らしく見えるが、おそらくコピーだ。君の言う天才はおそらくまだ生きている。
それを聞いたハンクは自分の思い込みを疑い始め、後日資料を見返すことになります。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
ウォルターは、スカイラーとテッドの不義を思い出し、ジェシーが自分の管轄外の仕事を与えれてしかも満足している様子を見て、そしてハンクがゲイルを天才だと思い違いしていることを知り、今の自分の存在が軽く扱われていると思い不満を覚えたことでしょう。
それで我慢できなくなったウォルターは、ハンクの思い違いを指摘して他に天才はいると教えてあげることで間接的に自分の自尊心を満たそうとするのです。
プライドの高いウォルターは、自分の首を締めることになるような愚かな発言すらもしてしまうのです。
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン4・5話】を視聴してみて、印象に残ったシーンが2つあります。(ネタバレ込み)
- ジェシーにタバコを吸う許可を与えるマイク
- ハンクの復活とマリーの安心
ジェシーにタバコを吸う許可を与えるマイク
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
ジェシーに対して1ミリも信頼感を覚えないマイクが、ジェシーが手柄を上げた際には少し表情を和らげてタバコを吸ってもいいぞと言ったシーンは少し印象的でした。
マイクは慎重で注意深いので、ジェシーのようなジャンキーと交わることがないように思われますが、
ガスの策略上にあるとはいえジェシーが見事お金を守り通して逃げることもせずに自分もとへ戻ってきたことには思わず少し感心しているようにも見えます。
ハンクの復活とマリーの安心
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
また5話まではずっとハンクがマリーに嫌味を言ったりしていましたが、夕食でのウォルターの助言を受けて再びハイゼンベルク逮捕に向けて心身ともに動き出したことですっかりマリーに優しいハンクに戻ってきました。
マリーもそれを見てほっとしているように表情を和らげます。
今まで不穏な空気の流れていたシュレイダー家にようやくもとの温かい夫婦関係が戻ってきて僕も少し良かったなとほっとしました。
結局、ハンクはハイゼンベルクを捕まえるという職業的目的感を持っている時にこそ、ハンクとしての安定した自己を維持できるんですよね。

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