ブレイキングバッド【シーズン4・7話】のネタバレ解説&感想、あらすじ、キャストをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン4・7話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1のキャストだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】の主なキャストは9人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンとホリーを持つ一家の主。スカイラーに自分が危険人物であることを脅すように言いつける。ジュニアに高級車を購入するが、スカイラーに返品するように言われる。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が2人。マリーの姉。ウォルターが危険な状態にいるのを心配して自首を提案するも、むしろウォルターが危険人物であることを思い知らされて動揺する。コインの導く先に身を預けようとするも、結局自宅に帰りウォルターから家族を守ることを決意する。
ウォルター・ジュニア・ホワイト
ウォルターとスカイラーの子供。ウォルターと同じ学校に通う高校生。軽度の運動障害と脳性麻痺を抱えている。松葉杖を使って生活をしている。父親の病気に理解を示さない母親に不満を募らせる。父親に高級車を購入してもらう。
ハンク・シュレイダー
マリーの夫。ウォルターの義理の弟。DEA(麻薬取締局)の捜査官。ゲイルをハイゼンベルクだと確信するが、ウォルターの助言により疑いだし資料を見返す。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。ハイゼンベルクの捜査に再び関心を向けるハンクの状態がもとに戻りつつあるのを見て安心する。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。マイクとともに盗まれたブツを取り戻すためにヤク中の家を見張る。じっとしていられなくなり、独自のやり方で部屋に入り込み、ヤク中からブツを取り戻す。
ソウル・グッドマン
犯罪に強い弁護士。下品な冗談をまくしたてる口達者な男。返品予定のウォルターの車の後処理をする。
ガス・フリング
ジョスポジョスのオーナー。裏では麻薬ビジネスの元締め。麻薬カルテルから話し合いを提案されて応じる。
マイク
用心棒。ジェシーとともにヤク中の家を見張る。取り戻したブツの容器の蓋に書かれた麻薬カルテルからのメッセージをガスに伝える。
ここから先はネタバレを含んだあらすじや独自の解説&感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】のネタバレあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】のあらすじを確認しましょう。(ネタバレ込み)
スカイラーから車の返品を促されたウォルターは、素直に言うことを聞かず、だだっ広い駐車場でまるでカースタントのようにアクセルを全開にハンドルを目一杯に切ってドラフト走行をして車を縁石の奥の溝に落としてしまう。ウォルターから連絡を受けて後処理を頼まれたグッドマンは、何も足がつかないように燃えて焦げ焦げになった車を完全に始末することになった。ガスの存在に危機感を覚えるウォルターはグッドマンに腕のいい暗殺者を紹介してほしいと頼むも、グッドマンはマイクの前では暗殺は不可能だと一蹴して、相棒に頼めばいいじゃないかとほのめかす。そこでウォルターはジェシーに会いに行き、ジェシーのガスへの復讐心を呼び起こさせるようにガスのしたことをあれこれしゃべって遠回しに説得しようとする。ジェシーはウォルターの意図を悟って話を遮り、自分がガスを殺すと約束をする。後日、ジェシーはマイクに連れられて、ガスと麻薬カルテルの談合場所でガスと会うことになる。マイクにコーヒーをいれるように指示されて、リシンを混入する絶好のチャンスを得るものの、寸前のところでマイクに肩を叩かれて機会を逃してしまう。ジェシーの中では、マイクとガスに忠誠心を試されていることに対するわずかな自己肯定感とウォルターの言うガスの過去の仕打ちに対する警戒心とが拮抗していた。ジェシーは久しぶりに集団セラピーに顔を出して定まらない心の動きを安定させようとするが、口論を招き講師との仲違いに終わってしまう。やがてジェシーはウォルターにガスとはまだ会っていないと嘘をつくようになる。
一方、ハンクはウォルターの助言をきっかけにハイゼンベルクの捜査を再開して着実と真相に近づいていた。ジュニアとともにロスポジョスの店内に足を運び、挨拶に顔を出したガスの指紋のついた紙コップを袋に入れて持ち帰る。指紋検査の結果、ゲイルの部屋に残された指紋と一致することが分かり、その証拠を持ってDEAに足を運んでゴメスと上司にガスが黒幕だという独自の推測を話すことに。
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】の解説ポイントはつあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ウォルターが素直に車を返品しなかった理由は?
- ジェシーが部屋の塗装を変えた理由は?
- ジェシーがガスのコーヒーにリシンを入れられなかった理由は?
- ジェシーが集団セラピーに戻った理由は?
ウォルターが素直に車を返品しなかった理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
7話の冒頭でスカイラーに車の返品を頼まれたウォルターは、言う通りにせずに駐車場で狂ったように車を乗り回して、挙句の果てに車は縁石を乗り越えて溝に落っこちてしまいます。
そしてひらめいたかのように車の中の紙束をまとめると車の給油口につっこみ火をつけて爆発させます。
それを少し離れたところかほくそ笑みながら見守るウォルターはもはや狂人です。
ウォルターは洗車場でスカイラーからもう面倒を起こさないでと言われてムッとしていました。
自分は唯一無二のクリスタルメスを製造できる能力を持ち、莫大な経済的利益を生み出す供給者であり、私の能力なしではビジネスは回らないほどの重要人物であり、したがって誰かに指図を受けたり、ましてや面倒を起こすなと注意を受ける筋合いはない、私は命令してコントロールす立場の人間なのだ。
と、おおげさに言うとこういう自己認識を致命的なほどまでに確立しているから、スカイラーの言うことを素直に聞き入れて従うことができずに、自分の金で買った乗り物を自分の好きなように使って処理をして偽りの自尊心を満たそうとしているのでしょう。
ジェシーが部屋の塗装を変えた理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
7話の冒頭シーンで、暗く汚い部屋の中でジェシーは銃の形を取ったコントローラーの銃口をテレビ画面に向けて、バイオハザード的なゾンビ兵士を撃ち倒していくテレビゲームをしています。
画面の中で兵士が目には見えない銃弾に倒れていくたびに、ジェシーの脳裏にはゲイルを撃ち殺した映像がちかちかと点滅します。
しかし後日、ウォルターがジェシーの家に訪れた際には、ジェシーは部屋をキレイに形付けて部屋の壁を白く塗装している最中でした。
ジェシーはマイクに役割を与えられ、かつそれなりに自分を認めてもらえていることを実感して新しい居場所を手に入れました。
冒頭のテレビゲームは、繰り返し点滅するゲイルの映像が呼び起こす恐怖心を克服するためでもあり、新しい役割を与えられたことで堕落した生活から抜け出す理由を見つけられて家をクリーンにしていきます。
ジェシーがガスのコーヒーにリシンを入れられなかった理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
7話の途中で、ジェシーがウォルターに力強く約束しておきながらそれでもリシンをガスのコーヒーにいれることができなかったのは、そう簡単には克服できない殺人に対する恐怖心がその時芽生えたのと、マイクが自分を信頼したかのように銃を渡したことの2つが同時に起こったからでしょう。
ジェシーは、ガスが物事を見極めるために自分をそばに置いたと言ったことの真意を帰りの車の中でマイクに聞くと、おそらく忠誠心のことだと言われます。
そしてマイクから忠誠心を向ける相手を間違えるなと忠告されます。
ここでガスは自分に忠誠心があればそばに置くつもりでいることを知るのです。
そのことがまたガスを毒殺しようとする手を少し静止させます。
ジェシーが集団セラピーに戻った理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
ただジェシーの心はまだ明確な拠り所をみいだせてはいません。
家族とは完全に絶縁状態だし、ウォルターは自分を世話のやけるガキのように扱ってくるし、いくら少しづつ信頼感を示してくれようともガスの底の悪さを知っているためそうやすやすと心を許すこともできない。
そう考えるジェシーは、まだ1つだけ心の拠り所にできる可能性のある場所があるのをふと思い出します。
集団セラピーです。
ジェシーはおもむろにセラピーの玄関先まで足を運び、階段に座る自分に気づいた講師の先生に促されるがままに部屋に入り席に座ります。
そこでは相変わらずセラピーの講師が自分の過去を批判しても何も解決にはならないから過去を受け入れることが大事だと語っています。
その言葉を聞いたジェシーの頭の中にはある疑問が浮かび上がります。
どんなに悪い行動をしても本当にこの人はそれを受け入れることができるのか?
そこでジェシーはゲイルを射殺した体験を犬を殺した体験にすり替えて語り始めます。
何も自分に悪いことをしていない犬を自分は自らの意志で殺した。犬は自分がなぜ死ぬのかもわからずに、怯えた目を自分に向けたまま死んでいった、と。
その胸糞悪い話を聞いた参加者の女性が他の方法を取ることができたはずだとジェシーを批判すると、講師は批判はしてはいけないと彼女を制止します。
しかしそれに対してジェシーはむしろ女性側の意見に立って、彼女の言う通りだとまっすぐ講師の目を見て言い放ちます。
彼女の言う通り他の方法をとれば殺すことを避けられたかもしれない。あんたは自分の過去を受け入れろと言うが、犬を何回も殺しても受け入ればそれでいいのか?自分の子供を車でひき殺しても自分を批判もせずに受けれればそれでいいのか?
そこで講師がジェシーの話を遮って、自分を責めても解決にはならないと言うものの、ジェシーはすぐさま、
わかった。オレがこのセラピーにきた理由を教えてやるよ。いいか。オレはメスを売るためにここにきたんだ。どうだ?それでもオレを受け入れるのかよ?
と講師に言い放ちます。
さすがの講師もそれには、いいや、と真面目な顔で答えます。
ジェシーは涙を浮かべて怒りをあらわにしてその場を去っていきます。
ジェシーが集団セラピーに来たのは本当にすべての悪事をここの人は受け入れるのかを確かめたかったからであり、もしそうなら本当にここは更生の場所になるかもしれないと一縷の望みを胸抱いていたからであり、そしてここからいなくなったのはやはり何もかも受け入れるなんて詭弁だと目の前で証明されたからであります。
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン4・7話】を視聴してみて、悪い意味でも良い意味でも印象に残ったところがあります。(ネタバレ込み)
- ウォルターとスカイラーの関係が夫婦から主従関係に徐々に移り変わる
- ハンクの推理の巧妙さ
ウォルターとスカイラーの関係が夫婦から主従関係に徐々に移り変わる
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
7話では、ウォルターとスカイラーの関係がもはや夫婦とは言えない関係に移り変わりつつあるのが目に見えるようになってきました。
もともとウォルターの共犯者として資金清浄のサポート役をかってでたスカイラーでしたが、ウォルターが人の命を殺める危険人物かもしれないと悟ると、恐怖心からもはやサポートではなくウォルターの指示に従う従者のようになっています。
ウォルターが稼いだ金を洗車場に持ち運んだ際に、スカイラーはあまりの多さに驚いて洗車場の利益をはるかに越えすぎて不自然すぎると指摘するも、ウォルターは資金清浄をするのは君の役割だから問題があるのなら解決しろ、嫌なら辞めてもいいと頭ごなしに言い渡します。
これでは対等な夫婦ではなく、傲慢な雇い主と怖くて何も言い返せない従業員です。
ハンクの推理の巧妙さ
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
7話では、今まで希望が持てずリハビリに気乗りせずマリーに文句ばかり言っていたハンクが、ハイゼンベルクの捜査に再び関心を向けることになってみるみるもとの陽気で鋭い直感を持ったハンクに戻っていくさまが描かれていました。
とくにゴメスと上司に語るハンクの推理には、その上質なストーリーテリングには引き込まれてしまいました。
ハンクがウォルターの正体に気づくのはいったいいつになるのか楽しみになります。
