ブレイキングバッド【シーズン2・13話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン2・13話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン2・12話】ネタバレ解説&感想!
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】の主なキャストは8人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンとホリーを持つ一家の主。年齢は50歳。ジェーンに脅されてジェシーの取り分を渡しに行く。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が2人。マリーの姉。年齢は39歳。ホリーの世話をする。
ハンク・シュレイダー
マリーの夫。ウォルターの義理の弟。DEA(麻薬取締局)の捜査官。エルパソの件以来、ハイゼンベルクの捜査に没頭するようになる。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。ホリーのお世話をする。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。ウォルターから取り分をもらって、ジェーンとともにニュージーランドに逃避しようとする。
ジェーン
ジェシーが新しく借りる賃貸の管理人。ジェシーの隣に住む。18ヶ月間、麻薬を断っていたのに、再び麻薬におぼれてしまう。ゲロが喉に詰まり、死亡。
ソウル・グッドマン
犯罪に強い弁護士。下品な冗談をまくしたてる口達者な男。ウォルターとジェシーに、ガスを紹介する。
マイク
用心棒。
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】のあらすじを確認しましょう。
ジェーンを見殺しにしたウォルターは翌日、取り乱したジェシーから電話を受けて、グッドマンに後処理を要請する。派遣されたマイクは、ジェシーがひとり沈む陰気な姿を尻目に、黙々と部屋の中の証拠品をバッグに詰めていく。マイクが部屋を出ると、ジェシーは言われたとおりに警察に連絡を入れて、打ち合わせ通りの事情を説明する。そこにジェーンの父親が張り詰めた状態で訪れるも、ジェシーとは一切会話をしないまま、ジェーンの遺体とともに部屋を出る。ジェシーは喪失感と自責の念から麻薬に手を出していたが、ウォルターがギリギリのところで留め、ヒーリングサロンのような場所へ連れて行く。その後、ウォルターは手術中に思いもよらぬ失敗を犯し、ジェーンの父親は放心状態のために恐ろしい失敗を招く。悲劇が絡み合い大きな悲劇へと向かっていく。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】の解説ポイントは3つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ジェーンの父親の心境
- 愛する人を失ったジェシーの喪失感と自責
- 嘘がとうとう見破られたウォルター
ジェーンの父親の心境
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※放心状態のジェーンの父親
12話(前話)で、ジェーンが再び麻薬に手を出したことを知った父親は、十年間そばでずっと支えてきたのに裏切られたことにもう我慢ができず、警察に通報しようとします。
しかし、ジェーンが必死に反省の気持ちを目に涙を浮かべながら訴えかけてきたので、ジェーンの父親は翌日の集会に参加することをジェーンに約束させて、電話を切ります。
そして日をまたいで集会の時間になりますが、ジェーンから音沙汰はありません。
父親は苛立ちと呆れを抱いて、今回は容赦しないとばかりに車のハンドルに力を入れて家に向かうと、ジェシーの遺体が運ばれているのを目にするわけです。
部屋で遺体を見た父親は、ジェシーに一度咎めるような視線を送るも何か言うわけでもなく、脱力したような深い悲しみに沈み、静かにジェーンの遺体とともに立ち去っていきます。
その後も感情を高ぶらせるわけでもなく、何かに当たり散らすわけでもなく、黙然としています。
仕事に復帰し、同僚にも大丈夫そうに振る舞います。
しかし、心の奥底ではジェーンが死んだことをまだうまく呑み込めず、急に断ち切られた愛する娘の命をどのように受け止めていいのか分からないままでいます。
そしてこのままだと父親の内面も崩れていくと直感した防衛本能のようなものが、父親がジェーンの死と真正面から向き合わせるのを避け、考え感じさせるのを退け、父親の頭を真っ白にさせてしまいます。
最終的に、真っ白になった意識が注意力を奪い去り、事故を招いてしまいました。
厳しく愛情深い父親だからこそ、ジェーンの死をうまく呑み込めず、感情を表出させるよりも奥底へ抑えようとするのだと思います。
愛する人を失ったジェシーの喪失感と自責
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ジェーンに心臓マッサージを施すジェシー
一方、愛する人を失ったジェシーはその喪失感と自責の念に苦しみます。
悲嘆に暮れ、麻薬中毒者の巣窟のような場所で、ラリったように倒れていました。
ウォルターが抱えださなければ、ずっといたかもしれません。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターに抱かれるジェシー
ジェシーはウォルターに、自分が彼女を殺してしまった、誰よりも彼女を愛していたのに、と後悔の言葉を言います。
厳密に言うと、ウォルターがジェシーの体を揺すり、その背中に押されて仰向けになったジェーンがゲロを喉につまらせて死んでしまったので、ウォルターに直接的な原因はあります。
ただ、仮にジェーンが死んでいなくても、2人の逃避の果てに見えるのは同じような悲劇であるように思えます。
なので、ジェシーがここで自責の念と愛の喪失感に心を深く痛めているのは、然るべき反応だと思うわけです。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターに励まされるジェシー
13話の中では、ヒーリングサロンのような場所に連れて行かれるところまでしか、ジェシーの動向は描写されていませんでしたが、ウォルターが過去に言った”当然の報い”の意味がようやく分かったとジェシーが言っていることから、深く反省しているのが見て取れます。
今後、この愛の喪失感と自責の念がどう行動に結びついていくのか、がジェシーを理解する上でのポイントになりそうです。
嘘がとうとう見破られたウォルター
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターの言葉に表情をかたまらせるスカイラー
13話でウォルターはガン摘出の手術を受けることになります。
ウォルターは全身麻酔を投与されて、少しずつ筋肉が緩和していき、意識が朦朧としてきます。
ジュニアとスカイラーはベッドに横たわるウォルターの横で励ましています。
スカイラーはウォルターの身につけているものを受け取ってカバンにしまうために、携帯はどこに置いている?、と軽く質問をします。
すると意識が定かではないウォルターは、どっちの?、と言ってしまい、それを聞いたスカイラーはピタリと表情を硬くしてウォルターを見ます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターの嘘を洗いざらいぶちまけるスカイラー
手術後、数日経過してウォルターの容態が安定に入ったのが分かったスカイラーは、ジュニアとホリーを連れてハンクの家に泊まること、そして週末を挟んだらこの家から出ていってほしいことをウォルターに言い渡します。
スカイラーはそこで、エリオットたちの援助も嘘だったこと、義理の母親はガンすら知らなかったことなど、ウォルターが今までしてきた嘘を全部調べて知ったことをぶちまけます。
ウォルターが積み重ねた嘘がここに来て、ようやく瓦解したわけです。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ハンクの家に去ろうとするスカイラー
ウォルターが真実を話せば残ってくれるかと聞くも、スカイラーは今は真実を聞くのが怖いと言って車で去ります。
ウォルターは、家族のために嘘をついてお金を稼いだ結果、嘘がバレて家族そのものを失う危機に陥っています。
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン2・13話】を視聴してみて、印象に残ったシーンが2つありました。(ネタバレ込み)
- 父親がジェーンの部屋を見回るシーン
- ウォルターがジェシーを麻薬中毒者の巣窟で抱きしめるシーン
父親がジェーンの部屋を見回るシーン
ジェーンの父親が電話を耳にあてながら、ジェーンの部屋のクローゼット開けて、おそらくジェーンのためのドレスを選ぶシーンがあります。
そこで電話相手から黄色のドレスがあるからそれがいいというようなことを言われたのでしょう。
父親は黄色のドレス?と聞き返すと、黒とグレーしかない、ジェーンがいつ黄色のドレスを着ていたのを見たんだ?、とさらに聞き返します。
時間にすると数秒のさりげないシーンですが、この“いつ黄色のドレスを着ているのを見たんだ?”というセリフが、父親とジェーンの距離感を表しているように思えてならないんです。
要するに、父親は黄色のドレスを着ているジェーンを見たことがないんです。
言い換えてみると、父親には知らない(理解していない)ジェーンがまだいるということです。
いくら愛情深くジェーンを支えようとしても、その見えないジェーンが親子関係の溝となり、なかなか父親の愛が伝わらない。
とても悲しいですが、そういう親子関係の見落としがちな相互理解の欠如が、ジェーンの孤独感につながっていたように想います。
ウォルターがジェシーを麻薬中毒者の巣窟で抱きしめるシーン
ウォルターがジェシーを抱きしめて、ジェシーがウォルターにすがり嘆くシーンは、親子関係そのものに見えましたね。
ウォルターはジェシーのことをもう単純に利害関係だけで結びついたパートナーとしてしか見ているわけではありません。
ジェシーは家族の一員だという想いがほのみえています。
麻薬中毒者の巣窟で抱きしめるシーンはそういうジェシーを思いやる気持ちとジェシーのすがる気持ちが劇的に表現されているように見えて印象に残りました。
ただ今後ジェシーが、ウォルターがジェーンを見殺しにしたことを知った時にどうなるのか、を考えるとあまり見通しがいいとは言えなくて、少し暗い気持ちになります。
