ブレイキングバッド【シーズン1・3話】の解説&感想(ネタバレ込み)、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編を御覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】の主なキャストは8人です。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンを持つ一家の主。年齢は50歳。ピンクマンと組んでクリスタルメスを製造するも、取引がうまくいかず、クレイジーエイトを監禁してしまう。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が一人。お腹に子供を宿している。マリーの姉。年齢は39歳。小説家志望。ウォルターの様子の異変に不審を募らせる。
ホワイト・Jr
ウォルターとスカイラーの子。父ウォルターの勤める学校に通う学生。年齢は16歳。脳性麻痺による軽度の言語症と運動障害を抱えている。足が不自由で松葉杖を使う。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの義理の弟。マリーの夫。DEA(麻薬取締局)のエージェント。足が短く、お腹がぷっくりと出ている。陽気で、冗談をよく口にして、場の雰囲気を和やかにするような性格の持ち主。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子。ウォルターとパートナー関係を結び、クリスタルメスの製造販売をする。エミリオの死体を処理するも、大きな失敗を招く。
クレイジーエイト(ドミンゴ)
麻薬の卸売業者。タンピコ家具店の社長の息子。ウォルターとピンクマンに監禁されている。
スティーブン・ゴメス
DEA(麻薬取締局)のエージェント。ハンクの相棒。捜査中、ハンクとよく賭け事をしている。
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】のあらすじを確認しましょう。
クレイジーエイトの処理に逡巡するウォルター・ホワイト。ジェシー・ピンクマンは”自分の役割”を終え、ウォルターに早く事をなすように催促する。ウォルターは悩んだ挙げ句、クレイジーエイトのことを知ってから判断しようと決意。地下に降りて、お互いの身の上のことについて語り合う。語り合いの中で、二人は徐々に心を打ち解けていくが,,,,,。
一方、ウォルターが明確に嘘をついていることを知ったスカイラーは、彼に対する信用をみるみる失っていく。ハンクはウォルターとピンクマンのクリスタルメス製造現場に足を運び、ウォルターの製造したクリスタルメスを入手する。スカイラーの疑いとハンクの捜査の手が徐々にウォルターを追い詰めていく。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】の解説ポイントは1つあります。
※あくまで独自の解説です。
- 「人間の成分」の残りの部分
「人間の成分」の残りの部分
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】のタイトルは「人間の成分」です。ウォルターの回想シーンから物語は始まります。
若い一人の女性研究員とウォルターがホワイトボードに人体を構成する元素とその%をまとめていきます。
水素・63%、酸素・26%、炭素・9%、、、とひとつずつ書いて計算していくと、どうしても0.111・・%ほど足りない。何かを見落としている。あとの成分は一体何だ?
そこで物語は現在に戻っていきます。
その後、ウォルターは逡巡と裏切りを通して、最終的にもう戻ってはこれない法のラインを超えてしまいます。
ウォルターは「人間の成分」の残りの0.111%ほどの不明確な要素によって、そのような結末を迎えてしまった。
僕は3話を見終わったときにそう感じました。
もし「人間の成分」が化学の元素のみで構成されているのであれば、人間の変化も論理的に予測が可能になります。もともと真面目なウォルターが人の命を奪うような人間になることもないでしょう。
しかしウォルターは実際に犯罪を犯します。ということは、論理や物質的な働きだけでは説明が足りない何かがある。
それがこの0.111%の人間の成分の残りの部分であり、ウォルターを予想外の方へ変化せていくものなんです。
人の変化が、化学の元素の組み合わせの働きだけではなく、目に見えない何かによってなされていく、という人の心の深さを感じさせてくれる3話でした。
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン1・3話】を視聴してみて、グッドきた場面が2つありました!
- ウォルターとクレイジーエイトが徐々に打ち解けあっていくシーン
- ウォルターが高架下の先に広がる茫漠とした地平線を眺めているシーン
ウォルターとクレイジーエイトが徐々に打ち解けあっていくシーン
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
このシーンは一番グッと来ましたね。
クレイジーエイトがニューメキシコ大学の経営学の学位を取得していることを知ったウォルターが興味を抱いて座り込むところ、クレイジーエイトの父が営む家具店でベビーベッドを買ったときにもしかしたらお店の中で会っていたかもしれないこと、CMソングを思い出しながら二人で歌うところ。などなど。
そういう共通項が徐々にウォルターのクレイジーエイトに対する警戒心を解いていき、信頼感を増やしていきます。
一見、全く繋がりのないように見える二人が、実は話してみると繋がりを持っていたことが分かる。今こうして麻薬ビジネスに関わることになった境遇への同情や共感が芽生える。ウォルターの「家族のために」という動機に優しい理解を示していくれるクレイジーエイトの表情。
そういう温かい心のつながりって見ていてとても惹かれてしまいます。少なくとも僕はそうでした。
まあでも、このあとに起きることを考えると、このシーンが悲しく見えてきちゃうんですが、それでも起きることを知らなかった初見からするとグッときちゃうんですよね。
ウォルターが高架下の先に広がる茫漠とした地平線を眺めているシーン
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そのあと、ウォルターが橋の上に車を止めて、高架下に広がる茫漠とした大地、その先にある地平線を眺めているシーンがきます。
このシーンも好きなんです。
というのも、このほぼ静止した一つの描写からウォルターの心模様がじわりと伝わってくるからなんです。
クレイジーエイトに手を下した直後、ウォルターは震えるように身を崩して、棒にすがりつくようにひたすら謝罪の言葉を言います。怖くて怖くて腰に力も入らないといったていです。
それがこのウォルターの橋の上のシーンに来ると、打って変わってとても落ち着いています。
動揺しまくっていたウォルターが、何か決意のようなものを抱いたように平静に大地の広がりを眺めている。
ウォルターの臆病さが悪い意味で表面に出なくなりつつあること、悪事に手を染めても平静さを保てるように性格が変化してきていること、際限のない大地の広がりが善悪の際限のないウォルターの無秩序な心の広がりと呼応していること、その「眺め」にある種の自分を見ていること。
そういうものがこのシーンから感じられます。
なんとなくここからドライブして悪の深みへと傾倒していくようにも思えます。
