ブレイキングバッド【シーズン2・3話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン2・3話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】の主なキャストは9人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンを持つ一家の主。年齢は50歳。家族に肺ガンを告知。トゥコに連れ去られ、トゥコの毒殺を試みるも失敗に終わる。ハンクの銃撃戦を隠れて見守る。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が一人。お腹に子供を宿している。マリーの姉。年齢は39歳。ウォルターが失踪して、街中にポスターを貼り付けて捜索する。
ホワイト・Jr
ウォルターとスカイラーの子。父ウォルターの勤める学校に通う学生。年齢は16歳。脳性麻痺による軽度の言語症と運動障害を抱えている。足が不自由で松葉杖を使う。ウォルターの行方不明のポスターを作成する。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの義理の弟。マリーの夫。DEA(麻薬取締局)のエージェント。ジェシーの車を追いかけた先でトゥコと遭遇する。激しい銃撃戦の末、トゥコを射殺する。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。スカイラーのポスター作業を手伝う。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子。ヘクターにより嘘を見抜かれて、危うくトゥコに殺されそうになるところをやり返す。トゥコの銃で腹部に穴をあける。
バッジャー
ジェシーの悪友達の一人。ジェシーと麻薬製造を行った際に喧嘩して置き去りにされて以来の登場。
スティーブン・ゴメス
DEA(麻薬取締局)のエージェント。ハンクの相棒。
ヘクター・・サラマンカ
かつて麻薬組織の幹部の一人だった老人。今は体が不自由で全く動けず車椅子生活をしている。声もろくに出ずにコミュニケーションは手元のベルを鳴らして行う。トゥコの毒殺を阻止する。
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】のあらすじを確認しましょう。
トゥコの拉致から逃れられたウォルター・ホワイトとジェシー・ピンクマンであったが、この数日間の失踪を取り繕うために今度は大胆な計画を考える。ウォルターは記憶喪失を装い、スーパーマケットで素っ裸で見つかることに、ジェシーはウェンディに協力を仰いでずっとホテルの部屋に一緒にいてもらっていたことにしたのだ。2人の計画はうまくいき、その数日間の真実はうまく包み隠されていくが、その代償として多くのものも失っていく。
トゥコを打倒したハンクは、そこにジェシーの車が置いてあったことから、ジェシーに尋問して真実を聞き出そうとする。しかしジェシーのアリバイを崩すことができずに、何も収穫なく終わってしまう。アルバカーキ署では英雄扱いされて持ち上げられていく。一方、スカイラーはウォルターが戻って来てくれたことを喜びつつも、携帯を2台持っていたことに不信感を抱いてもいた。退院後のウォルターの対応でさらに不信を深めていくことになる。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】の解説ポイントは2つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- クリスタルメス製造の目的が徐々に変わっていくウォルター
- 病室に飾られた絵の意味
クリスタルメス製造の理由が徐々に変わっていくウォルター
ウォルターは記憶喪失を装い、行方不明になった数日間のことを包み隠そうとします。
そして入院して検査をするも、医学的な原因は一向見つからないということで、精神科医に預けられることになります。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※精神科医から診断を受けるウォルター
ウォルターはできるだけ早く退院したいのですが、精神科医の先生がなかなかOKを出してくれません。
そこでウォルターは先生に守秘義務のことを詳しく聞いたあとで、苦肉の策に出ます。
記憶はしっかりとあると打ち明けてしまうのです。
家族のもとから逃げ出したくて数日間車を借りて走っていたが、州境まで来ると急に帰りたくなった。それで家族に説明することはできないから、記憶喪失を装うために素っ裸になってスーパーマケットに出没した、と。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※先生に本音を語るウォルター
それに対して先生から、どうして逃げたくなったんだ?と聞かれたウォルターは、
妻は予定外にも妊娠して7ヶ月。15歳の息子は脳性麻痺。私は高校の教師だが能力はそれ以上。しかし今の年収では昔の同級生たちにも遠く及ばない。おまけに残り18ヶ月の寿命だ。
そういった現在の状況から逃げたかったと語ります。
これは換言すると、ウォルターがクリスタルメスを製造する本当の理由、とも取れるシーンです。
ウォルターは当初の「家族のためにお金を残す」という利他的な理由だけでなく、その奥に潜む「プライドの回復・我の証明」のような利己的な理由をここで吐露しているようにも、少なくとも僕には聞こえます。
精神科医の診断から開放されて、夜中にジェシーから電話を受けてまだクリスタルメスを作るのか?と聞かれた時の、当たり前だ、と答えたときの表情は、自分の存在の証明にはもうクリスタル製造は欠かせない、といった恐ろしさがにじみ出ています。
病室に飾られた絵の意味
ウォルターの病室には一枚の絵が飾られています。
海辺に1人の女性とその息子娘らしき子供が2人、女性の脇に寄り添い海の沖の方を見ています。そこにはイカダを漕ぎながら岸辺へと近づく1人の男の姿があります。おそらく女性の夫であり、子どもたちの父親なのでしょう。
しばらく留守にしていた夫・父親がようやく私達のもとに帰ってきた。そういう家族の再会の喜びを表しているように見えます。
一方、それをちらっと見るウォルターはどうでしょうか。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターの体調を気遣うスカイラー
ウォルターは行方不明からようやく消息を明らかにして帰ってきました。病室でスカイラーとジュニアはホッとした喜びのうちにウォルターを抱きしめます。
しかしウォルターが退院し、家に戻った時の2人はどこかよそよそしいです。ジュニアはすぐに部屋に帰り、スカイラーは浮かない顔をしています。
スカイラーは、2つの携帯のことを隠そうとするウォルターを見て余計に表情をかたくします。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※取り繕うウォルターに心を閉ざすスカイラー
絵と同じように家族と再会したのに絵とは違って明るくはない。むしろ暗い。
絵の中の理想的な家族の再会模様と生活の中の現実的な家族の再会模様とのギャップが演出されています。
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン2・3話】を視聴してみて、2つ印象に残ったシーンがありました。(ネタバレ込み)
- ジェシーの怯える演技はピカイチ
- ハンクに対する目つきが徐々にワルっぽくなるウォルター
ジェシーの怯える演技はピカイチ
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この話だけに留まることでもありませんが、ジェシーの怯える演技はピカイチです。
前回の話でも、トゥコに拳銃を後頭部に突きつけられた時の怯えようも、本当に命が惜しくて惜しくてたまらないから殺すのだけは勘弁してくれ、っていう取り乱した命乞いがすごく感じられました。
3話の中には、バッジャーに協力してもらい、DEAに見つかる前に家の地下の製造器具を片付けに入るシーンがあります。
その時のジェシーはDEAの捜査の手がもう肩にかかりそうなほど迫っているためにひどく焦っているので、必死こいて片付けるわけです。イライラもします。
でもそんなことはお構いなしにバッジャーは浮ついた軽いノリで製造器具を触ったりしています。挙句の果てにあと一回作ってから片付けようと言う始末。
それに神経が高ぶっているジェシーは怒り爆発を押し殺すようにバッジャーの胸ぐらを掴んで頼むから怒らせないでくれと顔を真赤にして言い渡します。
このときのジェシーの迫真の演技は印象に残りました!
ハンクに対する目つきが徐々にワルっぽくなるウォルター
ウォルターが退院する日、ハンクが病室にお見舞いに来ます。
ウォルターは自分を捜索したために危険な目に合わせてしまったことを真摯にハンクに謝罪します。ハンクは相変わらずのユーモラスで、大丈夫、おかげでアルバカーキ署では英雄扱いされてるよ、と返します。
2人の雰囲気はまさに義理の兄と弟のような温かい感じでした。
ハンクはそこで記念品としてもらったトゥコの前歯に付いていたグリル(ファッションのようなもの)を見せてきて、調子よく語ります。
それを見たウォルターの顔は少し戸惑いを見せるも、トゥコを愚弄するハンクの饒舌を聞いていくうちに徐々にかたくなっていきます。
最終的にはまるでハンクを敵のように見定めるウォルターの表情にはいよいよここの2人の仲違いが始まるのか、という前兆をを感じ取ることができて印象に残りました。
