ブレイキングバッド【シーズン3・9話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン3・9話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】の主なキャストは10人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンとホリーを持つ一家の主。ガスとハンクがすでに知り合いであることを知って、少し焦りを見せる。双子と会い、本当の標的は自分だったのではないかと疑う。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が2人。マリーの姉。控室にとどまり続け、マリーをつきっきりでサポートする。
ハンク・シュレイダー
マリーの夫。ウォルターの義理の弟。DEA(麻薬取締局)の捜査官。双子の襲撃で重症を負い、緊急手術を受ける。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。ハンクのことを心配するあまり、周りの人に八つ当たりをする。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。ハンクが病院に運ばれるところを目撃してウォルターに伝える。退院してウォルターの新しいパートナーになる。
ソウル・グッドマン
犯罪に強い弁護士。下品な冗談をまくしたてる口達者な男。
ガス・フリング
ロスポリョスのオーナー。裏では麻薬ビジネスの元締め。ハンクの見舞いを装い、双子の生き残りを暗殺する。
マイク
用心棒。双子の生き残りを暗殺する。
テッド・ベネキー
スカイラーの働く会社の社長。ハンクのお見舞いのために、病室に花やチーズスティックを送る。
サラマンカ家の双子
トゥコのいとこ。暗殺者。双子の生き残りも病院のベッドで死亡。
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】のあらすじを確認しましょう。
手術を無事に終え一命を取り留めたハンクは入院を余儀なくされる。足の神経も徐々に回復していくハンクを前に、また歩けるようになるのねと希望的観測を抱くマリーだったが、担当医にそこまで楽観的に考えすぎるのはよくないと穏やかに注意を促される。医師が保険適用内におさまるリハビリ訓練を暗に促すも、マリーは最高の療法士のもとで毎日歩行訓練させることを譲らない。お金の足りないマリーを見て心配したスカイラーは大胆な行動に出ることになる。
一方、ウォルターは病室のベッドで横たわるハンクから、襲撃前に警告の電話があったことを聞いて、ガスの恐ろしい深い狙いに気が付いてしまう。ガスの思惑に感服して同時に心配したウォルターは直接出向き、今後の契約内容について確認する。そして、スカイラーの大胆な行動に巻き込まれていくことになる。
他方、ジェシーは自分たちの取り分が異常に少ないことに不満を持っていた。ウォルターに指摘するも、ハンクのことで頭がいっぱいなのか、今の報酬で十分だと言われる。そこでジェシーは、約束の量より多く製造された分をくすねて、自分で売りさばこうと、悪友達と一緒に大胆な計画を立て、実行していく。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】の解説ポイントは2つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ウォルターがアクセルを全開に踏み、目をつぶって事故を起こそうとした理由は?
- 木工品とクリスタルメスを交換するジェシー
ウォルターがアクセルを全開に踏み、目をつぶって事故を起こそうとした理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※襲撃前に警告があったことを話すハンク
9話の中で、ハンクが襲撃前に警告を受けていたことを知ったウォルターは、ガスの恐ろしい狙いに気が付きます。
ガスがハンクと暗殺者の撃ち合いを誘うためにあえて警告したこと、撃ち合いをさせるのはアメリカ政府とメキシコ政府を刺激するためであること、そして国境沿いの警備が厳しくなり南からの麻薬の供給が途絶えること、それによって一番得をするのは国境北を牛耳っているガスであること。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ガスに彼のすべての思惑を話すウォルター
ガスに直接会い、ガスのその思惑をなめるように話すウォルターは、ガスが暗殺者の標的を自分から変えたことに感謝すると共に、その手腕に感服したことを伝えます。
そして契約が切れたあとのことを心配して、ガスの提案にもとづいて1年間の契約を結びます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターに1年で1500万ドルの契約を提案するガス
ウォルターはその帰り、車を運転中、アクセルを思いっきり踏み込み、ぐんぐん速度を上げていきます。
やがて目を閉じて速度を増す車の走行に身を委ねるようにします。
おそらくウォルターはこの時、このまま車の走行に身を委ねて事故を起こしたら楽になるかもしれない、と考えていたのでしょう。
- 自分の関わる事が政府、麻薬カルテルなどの想像を超えた大きな組織が動くほどの大事になっていること
- そしてそれらの組織やガスは必要でなくなったら実際に自分の家族を殺すことができること
を肌身にありありと感じたウォルターは引き返すことのできない事の重大さを目前に、無意識に逃避しようとして、加速する車の走行に身を委ねようとしたんだと思います。
しかし大型トラックのクラクションを耳にしてはっと我に帰り、結局は現実の世界に戻ってきます。
木工品とクリスタルメスを交換するジェシー
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※メスの余剰製造分をくすねるジェシー
一方9話では、ジェシーが集団セラピーに参加するシーンがたびたび挿入されます。
そこでジェシーは講師に金儲け以外のことで機会があったら何がしたい?と聞かれて、何かを作ったりしたいと答えます。
高校の技術の授業で木工品を作ったことがある。その授業ははやく作品を作ればそのあとの授業は受けなくてもいいことになっていたから、すぐに作り上げて提出した。
でも技術の先生はそれがお前の限界か?と焚きつけるように言ってきた。悪い気はしなかった。見下すような感じではなくて、純粋に限界か?と聞いてきたから。
そこからオレは木工品作りにのめり込んでいった。一学期中作り続けて5作品目。これは完璧だった。蓋をあけて深呼吸したくなるような最高の出来栄えだった、と。
その話を聞いた講師がその箱をどうした?と質問すると、ジェシーは親にあげたと嘘をついたあとで、本当は親にあげてない、メスと交換したんだ、と訂正します。
ジェシーは絵を夢中に書いたり、木工品を丁寧に仕上げる集中力と技術力があるのに、結局、心の弱さから麻薬に手を出してしまいます。
ジェシーの共感できるところと、そして共感できるところがあるがゆえに余計に残念だと感じてしまうところが、この話によく出ていますよね。
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン3・9話】を視聴してみて、印象に残ったシーンが2つあります。(ネタバレ込み)
- スカイラーとテッドの関係は?
- スカイラーの巧みな話術と不条理な世界
スカイラーとテッドの関係は?
9話の中で、久しぶりにテッドが登場します。
ハンクを心配してお見舞いの花やお菓子を送った優しいテッドが、スカイラーの家に直接訪れます。
その時、たまたまマリーも居合わせていたので、3人で立ち話になりますが、スカイラーの取り繕うような会話にテッドは少し疑問を持ちます。
やがてマリーが入浴するため、その場からいなくなると、テッドはスカイラーにお互い離婚しているにどうしてマリーに隠しているんだ?と問い詰めます。
それに対してスカイラーは煮え切らない態度を取り、今はハンクのことで頭がいっぱいだから後日話しましょうといったん帰らせます。
ここ何話か、テッドとスカイラーのシーンはほとんどなかったのでどうなっているのかなと思っていました。
2人の会話から察するに、スカイラーは何もテッドに語らないまま、突如家にも行かなくなり、連絡すらもしなくなったようです。
また、テッドは離婚したスカイラーと真剣に交際をしようと思っていて、だから連絡も何もよこさないスカイラーの気持ちを知りたいんだという感じですね。
今後、2人の不倫がどう物語に関係してくるんだろうと気になりました。
スカイラーの巧みな話術と不条理な世界
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ハンクの今後のリハビリについて意見を異にする両サイド
9話の最後のシーンはすごかったですね。
今までウォルターの嘘や犯罪に失望して遠ざけていたスカイラー自身が巧みな話術で物語をこしらえてマリーを騙し説得していきます。
ハンク襲撃の原因はウォルターだからこそ、責任感を覚えて、なんとかしてマリーが納得いくような形でお金を工面しようとする気持ちから出た行為だと思いますが、
それにしてもマリーの知っているウォルターに関する事実をうまく組み合わせてギャンブルで大金を稼いだという筋に合わせていくのは見事でした。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※嘘の物語を語るスカイラー
でも一方で、これによってスカイラーもほとんどウォルターの共犯者みたいになってしまうので、もう少し早い段階でウォルターの犯罪を公にするべきだったんだよな、と後の祭りですが思わないわけにもいきませんでした。
そして、犯罪で大金を稼いでいる人たちが無事で施しを与え、まともに生きている人たちが傷つき施しを与えられる、という不条理な世界の有様に、なんとも言えない気持ちになりました。
