ブレイキングバッド【シーズン4・6話】のネタバレ解説&感想、あらすじ、キャストをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン4・6話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1のキャストだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】の主なキャストは7人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンとホリーを持つ一家の主。ジェシーをガスにコントロールされ、テッドとスカイラーの不義を思い出して自尊心を傷つけられたのか、ハンクたちとの夕食で思わずハイゼンベルクについての情報を自ら漏らしてしまう。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が2人。マリーの姉。契約書にサインをして正式に洗車場を買収したことに気持ちを高ぶらせて、ウォルターとベッドを共にし再び同居することになる。
ウォルター・ジュニア・ホワイト
ウォルターとスカイラーの子供。ウォルターと同じ学校に通う高校生。軽度の運動障害と脳性麻痺を抱えている。松葉杖を使って生活をしている。父親と母親が寝室でちちくり合っているのにうんざりするも、ウォルターが戻ってきてくれて嬉しい。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。集金のためマイクとともに車で巡回してると悪人に襲われるが巧みに回避する。
ガス・フリング
ジョスポジョスのオーナー。裏では麻薬ビジネスの元締め。問題行動の目立つジェシーをウォルターの管轄から外し手中におさめるために手柄を与えて従わせようとする。
マイク
用心棒。ガスの指示によりジェシーとともに集金をする。
ボグダン
ウォルターがアルバイトをしていた洗車場のオーナー。ホワイト家に洗車場を買収されて、ウォルターに鍵を渡す。
ここから先はネタバレを含んだあらすじや独自の解説&感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】のネタバレあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】のあらすじを確認しましょう。(ネタバレ込み)
ハンクとの夕食でウォルターが思わずこぼした言葉を受けてゲイルの素性を調べ、ウォルターの過去の言動を振り返ったスカイラーは、ウォルターに危機が迫っていることに思い至る。スカイラーはウォルターにタフな犯罪者とは違うから命の危険が迫っているのなら警察に自白しようと提案するも、怒りをむき出しに凄みを利かせたウォルターから自分が危険の中にいるのではなく、自分が危険人物なんだと言い渡される。そのウォルターの狂気的な変貌に怯えたスカイラーはホリーを車に乗っけて出ていき4つの州境が交差する場所に赴く。そこで立ち止まってコインを投げてこれから行く先を運命の裁定に任せようとするが、結局ニューメキシコ州の自宅に帰ることになる。
スカイラーが出ていった後、ウォルターはウォルターのギャンブル症を1つの病気として理解しない母親を責め立てるジュニアの考えを訂正させ、気分をあげようと高級車を購入してあげる。しかし、夜に帰宅したスカイラーに車を返すように注意され、弁解するも受け入れてもらえず、挙げ句の果にあなたから私は家族を守ると言われてしまう。
一方、ジェシーは手柄をあげて以来クスリも断ち、マイクから少しづつ信頼をされていくようになる。盗まれたガスのブツを持つヤク中の家をマイクとともに見張っている時、ジャンキー心理に精通しているジェシーは独自のやり方で家に閉じこもるヤク中を1人おびき出して、家の中で銃を片手に叫びながらラリっているもうひとりのヤク中を鈍器で殴り倒してブツを取り戻す。護衛としてマイクの横に着くことが徐々に定着していく。
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】の解説ポイントは2つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ウォルターが危険の中にいるのではなく、ウォルターが危険であることを知ったスカイラー
- スカイラーが4つの州境でコインを投げた理由は?
ウォルターが危険の中にいるのではなく、ウォルターが危険であることを知ったスカイラー
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
6話の冒頭では、前話のウォルターの発言から危険を察知したスカイラーがゲイルのことや留守電に残された愛のメッセージのことを持ち出してウォルターに危険から逃れるために自首をしようと提案します。
この時、スカイラーの頭にあったのは“ウォルターの命が危険にさらされている“という心配でした。
ウォルターの雇い主が想像以上に凶悪で、何かの理由からゲイルを殺し、ウォルターの目にあざをつけて、そして身の危険を感じたウォルターが留守電に愛しているという別れの言葉を残したのだとスカイラーは考えます。
本当はもう怖くて、ハンクに捕まえてほしいから夕食の時にあんなことを言ったんでしょ?
そう語りかけるスカイラーを尻目に頭を振りながら、自分も家族も問題なく安全だと言い張るウォルターでしたが、スカイラーからお願いだから意地を張るのはやめて危険の中にいることを認めて!と言われた途端にがらりと表情を変えて、
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
私を誰だと思っている?君は状況をまるでわかっていない。私が危険な状態にいるのではない。私が危険人物なんだ。ドアを開けて撃たれるのは私ではない。ドアをノックするのが私だ。
とスカイラーに凄みを利かせて言い渡します。
そしてスカイラーは、ウォルターがまるで凶悪犯のような表情を浮かべて極悪非道な言葉を語るのを見て、はじめてウォルターが想像を遥かに超えた恐ろしい犯罪者に成りかわってしまったことを悟り、怯えてしまうのです。
もしかしたらこの人が人殺しをしたのかもしれない、と。
スカイラーが4つの州境でコインを投げた理由は?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
ウォルターに怯えたスカイラーはホリーを車に乗せて州境まで走り、到着すると降りてコインを空に向かって弾き飛ばします。
はじめコインはコロラド州に落ちました。しかしスカイラーは納得がいかないようで、コインを拾い上げてもう一度弾きます。
するとコインは再びコロラド州に落ちます。
スカイラーは振り返ってホリーを見つめて少し時間を置くと、足裏でコインを踏み挟みそのままニューメキシコ州に滑らせるように移します。
そして自宅に帰って行きます。
一見、無意味な行動に見えなくもないこの一連の行動にはスカイラーの戸惑いがよく表れています。
スカイラーはウォルターは単なる麻薬製造者として犯罪に関わっているのだと思っていました。
命の危険を招くような血なまぐさい殺し合いには無関係なクリーンな製造所で淡々とクスリだけを製造する。
そういう仕事をイメージしていたことでしょう。
だから犯罪とはいえ命の危険を招かないものだと考え、共犯者として生活をすることがまだできていたのです。
しかし、ウォルターが人を殺める凶悪犯かもしれないということを悟ると、もう共にいることそのものが危険であることを自覚します。
凶悪犯の共犯者としてウォルター側につくことは当然できないし、家族の身は確実に危険にさらされていることになるしで、とっさにこの場から去らなくてはいけないという防衛本能が働きます。
強い不安感から逃走する最中は、今後どうしていいかまったく分からなくて混乱状態です。
自分ひとりの意志で選択するにはあまりにも深刻で重すぎます。
そういうふうに強い不安感に苛まれた心は、自分の意志を越えた何か大きな流れに導かれようとします。
そうすれば選択に伴う重大な責任を他の物事に委託することができて安心感を得ることができるからです。
それでスカイラーはコインを投げて落ちた州にホリーを連れて逃げようとします。
しかし子供のことなどの現実を考えるとやはりニューメキシコ州から出られるはずもなく、
その一方で、家に戻った後に起きるであろう想像も及ばない出来事に対する責任感を思うと自分の意志だけではとても選択できないので、
できればコインがニューメキシコ州に落ちてくれればいいのにと、そうすれば気持ちも少しは楽になるのにと、祈るようにしてもう一度コインを弾いてしまうのです。
結局、コインは再びコロラド州に落ちて、スカイラーは自分の足でコインをニューメキシコ州に滑り移してしまいます。
そして帰宅後、ウォルターにあなたから家族を守ると言い渡すのです。
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン4・6話】を視聴してみて、印象に残ったところが2つあります。(ネタバレ込み)
- ウォルターがみるみる危うくタフなボスに変貌していくところ
- ガスとマイクがジェシーを見直していくところ
ウォルターがみるみる危うくタフなボスに変貌していくところ
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
6話では、ウォルターがスカイラーに凄みを利かせて自分が危険人物であることを力説し、またボグダンから洗車場の鍵を渡される時にボスはタフでなくてはならないと忠告を与えられたりして、危ういボスに成りかわっていく様が克明に描かれています。
スカイラーが最後、すべて家族を守るためにしていることなんだと弁解するウォルターに対して、じゃあ高級車を買ったのも家族を守るため?と指摘しているシーンによく表れているように、
ウォルターの口先から出る”家族のため”という決り文句はもう説得力を失っています。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
ウォルター自身はまだそう信じて疑ってないかもしれませんが、客観的に見ればウォルターのしていることがかえって家族の命を危機にさらしているのは明らかです。
そこには危ういほどに膨れ上がった自尊心に根を下ろす偉大な供給者としての無批判な自覚が垣間見えてなりません。
ウォルターはクリスタルメスのビジネスにおいて唯一無二の能力を発揮できていることに陶酔しています。
6話以降、ますますウォルターが”ワルのボス”に傾倒していきそうで怖いですね。
ガスとマイクがジェシーを見直していくところ
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
6話の中では、ジェシーがメスを断とうとして禁断症状に苦しめられる中、自分の独自のやり方で盗まれたブツを取り戻すことに成功して再び手柄をあげるシーンがあります。
それを見たマイクは思った以上にジェシーが役に立つ男であったのを認めたのか、ジェシーの体調を気遣ったり、ガスにジェシーのことを良く言ったりします。
ガスもマイクからの評判を受けてジェシーに役に立っているようだなと声を掛けます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
それがたとえガスの思惑通りであるとはいえ、ジェシーがただのお荷物ではなくて役に立つ人物であることを認めつつあるマイクとガスの変化を見ると、僕はなぜか分かりませんが嬉しいにも似たほっとした気持ちを抱いてしまいます。
どうしてかジェシーを応援したくなってしまうんですよね。
