ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン1・6話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編を御覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のキャストは9人です。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンを持つ一家の主。年齢は50歳。家族に肺ガンであることを告知。最良のガン専門医のもとで治療をするように促され、やむなく承諾。治療費を稼ぐために再びクリスタルメスの製造を始める。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が一人。お腹に子供を宿している。マリーの姉。年齢は39歳。ウォルターがガン専門医のもとで治療を受けることを承諾して安心。妻として必死に支えようとする。
ホワイト・Jr
ウォルターとスカイラーの子。父ウォルターの勤める学校に通う学生。年齢は16歳。脳性麻痺による軽度の言語症と運動障害を抱えている。足が不自由で松葉杖を使う。ウォルターがガン治療に臨む姿勢を見せたことで、父親に対する誇りを取り戻す。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの義理の弟。マリーの夫。DEA(麻薬取締局)のエージェント。荒野で渡されたガスマスクがウォルターの勤める高校の備品であることが分かる。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。ウォルターの告白を聞いて最良の医者を紹介する。窃盗症を患い、家族に迷惑をかける。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子。実家から追い出されたあと、まともな就職先を見つけようとするが見つからない。友人のバッジャーとクリスタルメスの製造を始めるも、出来上がるのは質の悪いものばかり。ウォルターとパートナーになり、再びクリスタルメスの製造を始める。
スキニー・ピート
ジェシーの悪友達の一人。
トゥコ・サラマンカ
麻薬の卸売業者。クレイジーエイトの後釜。気性が荒く、理不尽に他人を暴力でねじ伏せ従わせようとする。
ヒューゴ
ウォルターの高校の清掃人兼備品管理者。
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のあらすじを確認しましょう。
ジェシー・ピンクマンと再びクリスタルメスの製造を始めたウォルター。ガン治療の際に投与される薬の副作用で吐き気を催す回数がかなり増えている。ウォルターはピンクマンがクリスタルメスをちまちま売り渡り、小金を稼いでいるやり方に不満を持ち、卸売業者を見つけ出して大金を稼げる方法を考えろと言い渡す。そこでジェシーは友人のスキニー・ピートを介して、クレイジーエイトの後釜のトゥコに接触するも、予想だにしない悲劇が起こる。
一方、クリスタルメス製造の主犯を追うハンクは、ガスマスクの出どころがウォルターの勤める高校であることを知らされる。高校におもむき、ウォルターの協力を得て化学備品室を調べさせてもうらうことに。刻々と近づくハンクの捜査の手にウォルターも少しずつ追い詰められていく。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のネタバレ解説ポイントは2つあります。
※あくまで独自の解説です。
- ポーカーゲームに見えるウォルターの変化
- 「最凶のワル」ハイゼンベルクの誕生
ポーカーゲームに見えるウォルターの変化
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6話の中に、ウォルターの家族とハンクの家族がポーカーゲームを楽しむシーンがあります。
その前に、ハンクがウォルターの高校におもむき、化学備品を調達した疑いのあるヒューゴに手錠をかけて連行する場面がありました。
ヒューゴは麻薬所持の前科があり、自宅捜査の結果、マリファナがたくさん見つかったのだと、ポーカーを楽しむハンクの軽口から語られます。
高校にいたヒューゴはウォルターの体調を気遣って、ガムをくれた優しい男でした。
そのヒューゴが無実の罪で逮捕されたことにウォルターは内心、悪いことをしたと悲痛な表情を浮かべます。
しかし、ハンクのあまりにも頭ごなしに、陽気に、ヒューゴのような麻薬に手を染める犯罪者を愚弄する姿を見て、ウォルターの表情は”ヒューゴに対する申し訳なさ”から”ハンクに対する敵対心”へと変わっていきます。
これが、ウォルターとハンク以外は降りたゲームの山場で、ウォルターが弱い手札しかないのに、オールインして大胆な勝負に出ることにつながります。
ハンクは、ウォルターがハッタリを噛ますような性格ではないと思い込んでいるので、純粋にウォルターの手札が強いのだと考えて勝負を降りますが、実際には弱い手札であったのを知って信じられないといった表情を浮かべます。
このポーカーゲームが、”自分勝手な敵対心”や”大胆さ”や”強気”などのウォルターに今までには見られなかった性質の現れとして描かれています。
その後のハイゼンベルク誕生への小さいけれど大事な初期変化として見られるわけです。
「最凶のワル」ハイゼンベルクの誕生
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6話のタイトルは「最凶のワル」です。
物語の終盤に、ウォルターはジェシーがトゥコにボコボコにやられたのを知って、頭を坊主に刈って仕返しに行きます。
そこでトゥコに名前を聞かれたウォルターはハイゼンベルクと名乗り、雷酸水銀を放り投げて爆発を起こして脅します。
トゥコは手荒な手段に理解があるのかウォルターの度胸を認めて、ジェシーの治療費を含めた大金を手渡して、今後の取引の継続もお願いします。
ウォルターは真顔の面持ちでタフな男たちの中を歩きさりながら車の中に入ると、雄叫びを上げながら握った拳で何度もハンドルを叩き、強い高揚感と喜びに満たされていきます。
まるで経年の努力がようやく前人未到の化学的な成果に結びついたように。
ウォルターはこの時、かつて研究所で自分が経験した“素晴らしい達成がもたらす誇り”に似たものを感じました。
自分の縄張りを持ち、暴力的に相手をねじ伏せようとする野獣のようなボス。そいつを自分の力でねじ伏せ自分の思うように従わせることができた。
久しぶりに自分の能力が他者に対して強い影響を与えることができた。
この快感を深く味わってしまったウォルターは無自覚に支配欲をますます膨らませていきます。
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン1・6話】の中にはいいシーンがたくさんありました。解説でも書いたポーカーゲームのシーンもそのうちの1つでもあります。ここではそれ以外の2つのいいシーンについて、感想を書こうと思います!
- 化学室でのハンクとの対面
- 坊主になったウォルターが全くの別人
化学室でのハンクとの対面
ハンクが化学室の備品を調べている時、ふとウォルターと至近距離で顔を見合わせます。
ハンクは残念ながらここがクリスタルメスの調達場所だとウォルターに告げ、もう少し身の回りの出来事に注意を払ってみてくれと言います。
そしてそこで急に真顔になって、義理の兄を捜査したくない、と言い添えます。ウォルターをじっと見つめて。
これにはウォルターの表情はピタッと止まりこわばります。もうハンクは私を疑うところまで来て、誘い文句を言って情報を探り出そうとしているのか、と急に考えて一瞬恐怖心がぞわっと表に出たのでしょう。
しかしすぐにハンクは表情を崩して、冗談だよ、と言って肩を叩いたのでウォルターも一安心。
この数十秒のシーンで極度の緊張と緩和が見事に演出されていたので、見ている僕もどきっとして、ハンクが冗談だよと笑った時にはほっとしました。
映像世界に視聴者を引き込むのが上手ですね。
坊主になったウォルターが全くの別人
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」
あとはなんと言っても、坊主になったウォルターの姿。
治療の副作用で髪が抜け出したので、いっそのこと坊主にしたわけですが、見た目が明らかに”ワル”になりました。
薬の投与で痩せ細った頬、大地の亀裂のように走るシワ、睨みつけるように落ち窪んだ目、そこに加えて丸坊主。
一気に”化学教師”から”麻薬製造の悪人”へとビジュアルが変化しました。
この坊主になったあと、トゥコに仕返しに行って大爆発を起こすので、見た目も心もワルになっている感じがちょっと恐ろしいです。
でも本当に、冴えない化学教師がワルに見えてしまうのが不思議です。
