ブレイキングバッド【シーズン2・11話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン2・11話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン2・10話】ネタバレ解説&感想!
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】の主なキャストは10人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンを持つ一家の主。年齢は50歳。縄張り意識を強めていく。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が一人。お腹に子供を宿している。マリーの姉。年齢は39歳。テッドに心境を告白して、親密になる。
ホワイト・Jr
ウォルターとスカイラーの子。父ウォルターの勤める学校に通う学生。年齢は16歳。脳性麻痺による軽度の言語症と運動障害を抱えている。足が不自由で松葉杖を使う。ウォルターに酒を無理やり飲まされて吐く。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの義理の弟。マリーの夫。DEA(麻薬取締局)のエージェント。ジュニアに無理やり酒を飲ませるウォルターを注意するも、理不尽にも喧嘩を売られる。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。スカイラーがセクハラ男・テッド・ベネキーの会社に復職することを知って心配する。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。ジェーンと喧嘩の仲直りをして、真剣交際を始める。
ジェーン
ジェシーが新しく借りる賃貸の管理人。ジェシーの隣に住む。ジェシーと真剣交際を始める
ソウル・グッドマン
犯罪に強い弁護士。下品な冗談をまくしたてる口達者な男。ウォルターの資金清浄を手伝う。
スキニー・ピート
ジェシーの悪友達の1人。ジェシーのもとでクリスタルメスの売人をしている。
テッド・ベネキー
スカイラーが以前就職していた会社の社長。スカイラーの苦境を親身になって聞く。
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】のあらすじを確認しましょう。
販売網を拡大してきたウォルター・ホワイトとジェシー・ピンクマンだったが、売人のひとりコンボが撃ち殺されてしまったことで、バッジャーとスキニー・ピートは売人から手を引くことになった。販売手段を失ったウォルターとジェシーはグッドマンに相談を持ちかける。グッドマンは手堅い有能なビジネスマンを知っており、2人に紹介してくれることになった。しかしウォルターが約束された日時に指定された場所に出向くも、相手は一向に現れず、取引が不成立になってしまう。ウォルターは納得がいかず、再び、、。
一方、ジェシーはコンボが殺されてしまったことに深く心を痛めていた。自責の念から逃れるようにして、麻薬に手をのばす毎日。それを心配したジェーンが徐々に巻き込まれていくことに。
スカイラーはウォルターとの心の距離を遠ざけていく分、テッドとの心の距離を近づけていくが、ある日会社の不正を発見してしまう。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】の解説ポイントは2つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ジェーンがまた麻薬に手を出した理由
- スカイラーが会社の不正を知っても辞職しない理由
ジェーンがまた麻薬に手を出した理由
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ジェシーにヤクを注入しようとするジェーン
コンボが射殺されたことにより、ジェシーは自責の念と恐怖心からクリスタルメスのパイプ吸引に手を出す頻度が高まります。
ジェシーはジェーンと一緒にいるときでさえ、パイプを吸いたくてたまらず、更生中のジェーンに家を出ていってくれと頼む始末です。
ジェーンは吸引の代わりに自分と一緒に集会に出ることや、外にデートに行くことを提案するもジェシーは即拒否。
ジェーンは仕方なく、憂いを込めた表情を浮かべて玄関に向かい、取っ手を握って出ていこうとするのですが、そこで重心はピタりと釘付けになったように止まります。
逡巡して数秒後、ジェーンは取っ手から手を離して振り返ると、ジェシーが奥に消えていった部屋の方へゆっくりと歩いていきます。
そして18ヶ月の更生期間という立派な記録を終わらせます。
どうしてジェーンはせっかく18ヶ月もの間、麻薬に手を染めずに耐えてきたのに、再びもとの木阿弥になってしまったのかと残念な気持ちとともに疑問に思うわけですが、
おそらくジェシーとの関係がここで切れるのが不安、もっといえば出来かけた心の居場所を失ってしまうのが怖かったからでしょう。
ジェーンは麻薬の更生に励んでいるものの、それに取って代わる確かな居場所をずっと見つけることができなかったように思えます。
しかしある日、ジェシーが隣人にやってきて心を通わすことができたんです。
ジェシーは、行きずりの恋ではなくて、真剣に自分との交際を求めてくれています。
そのジェシーとの関係を失ったら、またひどく孤独を感じることになる。それは耐えられない。
その怖さからジェーンは更生期間をチャラにしても、ジェシーのそばにいてあげたくなるんだと思います。
スカイラーが会社の不正を知っても辞職しない理由
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※テッドの誕生日を祝うスカイラー
スカイラーは経理部に復職して仕事を進めていくうちに、会社が100万ドル近い所得隠しをしていること、過少申告をしていることを発見します。
テッドにそれを事細かに説明すると、テッドはバレたかの一言を漏らします。どうやらテッドは意図的に操作していたようです。
スカイラーは声を低く細めて、力を込めながら事の問題がどれほど深刻なのかを説明しますが、
テッドは不景気の中、家族や従業員を守るために仕方がなかったと言い訳を述べた上に、スカイラーに黙秘を持ちかけます。
スカイラーは少し考えた末に、密告はしないけど加担もできないと、手厳しく言い渡して部屋を出ていこうとします。
テッドのか細い、辞めないで欲しい、というため息まじりの言葉を聞きながら。
しかし結局、車の運転席で物思いに沈んだスカイラーはドアを開けて、ゆっくりとテッドのもとへ戻っていきます。辞職することができなかったわけです。
スカイラーは、ウォルターの理解不能な行動の積み重ねにより、ひどく孤独感を抱いています。
ウォルターの寛解を素直に喜べなくなるほど、ウォルターとの心の距離に深く溝が出来てしまったように感じています。
一方、家族が自分の心休まる居場所ではなくなりつつある中で、テッドは自分の苦境を親身に聞いて慰めてくれます。
この会社は今や、スカイラーの心を落ち着かせてくれる新しい居場所になりつつあったわけです。
ここを失えば、テッドとの接点を失えば、スカイラーの心はストレスに落ち着かず苦しくなるばかりです。
だからスカイラーは辞職することを選択できませんでした。
心は善悪の規範よりも先に、拠り所を求めてしまうんだと思います。
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン2・11話】を視聴してみて、ビジネスの引き際を失ったウォルターの運命がどんどんより巨大な麻薬ビジネスの網目に絡み取られていく様が印象的でした。
それで11話を振り返ってみると、ここで立ち止まっていたらなあ、と思うシーンを1つ思い浮かべました。(ネタバレ込み)
- ジェシーの家で、ウォルターがホリー誕生のメールを見た時
ジェシーの家で、ウォルターがホリー誕生のメールを見た時
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ガスに取引を再度持ちかけるウォルター
ガスをうまく説得して、見事取引にこぎつけたウォルターはロスポジョスの店内で日時と取引場所と金額を、横から急に顔を出したガスの部下らしき人物に早口でまくしたてられます。〜ポンド、120万、1時間後。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターに早口に情報を話すガズの部下
1時間後、と聞いて焦ったウォルターはすぐさまジェシーに電話を入れるもまったく応答せず、留守電を入れるも折返しもなく、しびれを切らせて車をかっとばしてすぐさまジェシーの家に向かいます。
到着後、玄関を拳で叩いても中からまったく反応がなく、裏手に回って裏扉の取っ手をガシャガシャ回しても中から人が生活している気配すら感じられない中、
ウォルターは強硬手段に出て、近くに置いてあった硬い置物で扉の木板をぶち開けて、内側の鍵を手で開けて中に侵入します。
ようやく部屋に入れたウォルターは、ヤクを打って昏睡しているジェシーとジェーンを視界に収めます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターに起こされるジェシー
ジェシーだけ叩き起こしてメスの在り処を聞き出そうするも、もにょもにょ言うジェシーに、水をぶっかけて平手打ちを食らわしてなおしつこく聞き出すと、キッチンの下にあることが分かります。
そこで急いでキッチに向かい、下の扉を開き上部部分の底板をバシバシ叩くと、ぼとぼととクリスタルメスを詰めた袋が落ちてきます。
散らばったメスの袋をかき集めている最中にスカイラーからホリーが生まれる!というメールが届くんですね。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※メールを見て微笑するウォルター
ウォルターはメールを見て一瞬笑顔を浮かべ、すぐさま苛立ちをあらわにして数秒後、しんと脱力したように静まり返り、結局ハッとして動きを再開し始めます。
そしてかき集めたクリスタルメスの大袋を肩に取引場所へと向かっていきます。
僕はこの時に、ガスとの取引をほっといてスカイラーのもとへ戻っていれば、いろいろな物がまだ修復可能だったんじゃないのかなと思いました。
