ブレイキングバッド【シーズン2・6話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン2・6話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】の主なキャストは6人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンを持つ一家の主。年齢は50歳。ジェシーと再びクリスタルメスの製造を開始する。スカイラーの不可解な行動に悩まされる。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が一人。お腹に子供を宿している。マリーの姉。年齢は39歳。ウォルターにやられたことをウォルターにやり返す。しかしウォルターが何もわからないので溝は余計に深まる。
ホワイト・Jr
ウォルターとスカイラーの子。父ウォルターの勤める学校に通う学生。年齢は16歳。脳性麻痺による軽度の言語症と運動障害を抱えている。足が不自由で松葉杖を使う。家の雰囲気があまりよくないため、友人のルイス家にいる時間が長くなる。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。ウォルターと再びクリスタルメスの製造を始める。自分が卸売業者になり、売人を使ってヤクを売りさばき始める。
スキニー・ピート
ジェシーの悪友達の1人。売人としてジェシーのもとでヤクを売りさばく。一組の夫婦に騙されて、ヤクを奪われる。
ジェーン
ジェシーが新しく借りる賃貸の管理人。ジェシーの隣に住む。
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】のあらすじを確認しましょう。
ウォルター・ホワイトから銃で落とし前をつけるように促されたジェシー・ピンクマンは、スキニー・ピートから情報を得て、メスを奪った夫婦の家に乗り込む。夫婦の家は汚らしく、一人息子を放置している始末。ジェシーは子持ちであることは想定しておらず逡巡するも、夫婦を銃で脅しつけてヤクを取り戻そうとする。ヤクをすでに使ってしまった夫婦は代わりに現金を払うと提案するが、そのことがのちの悲劇を生むことになる。
一方、職場復帰して初めての授業から帰宅したウォルターはグレッチェンが訪問しているところに遭遇する。グレッチェンはスカイラーから身に覚えのない治療費援助への感謝の言葉を電話でもらって不信に感じ、ウォルター家に訪問したのだ。ウォルターははらはらとグレッチェンとスカイラーの会話の様子を見ているが、グレッチェンが真実を語らず、治療費を援助したように振る舞ってくれていることに安心する。ウォルターは後日、彼女と会って謝罪を述べるも、ことの理由を聞いてくる彼女に対して口を開こうとはしない。そのことが2人の関係を仲違いの方へとずるずると運んでいく。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】の解説ポイントは2つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- ウォルターにとっての化学が金儲けの手段に変わっている
- グレッチェンとの過去の遺恨とは?
ウォルターにとっての化学が金儲けの手段に変わっている
6話が始まってすぐ、ウォルターの復帰後初授業の模様が映し出されます。
授業中、ウォルターは全てのものは炭素からできていると説いて、そこからダイヤモンドもダイヤモンドをはめる女性もみんな炭素から成り立っているというたとえ話に移ります。
とても化学的な授業です。
しかし、ここから人工ダイヤも炭素であるという話に移り変わると、なぜか人工ダイヤを作った人物の話に切り替わります。
人工ダイヤという大発明はのちに石油の掘削にも応用されるなどして巨万の富を持たすことになった。
ウォルターは力を込めて熱くそう語ります。
今までのウォルターならおそらく”炭素がすべての生物の源である”という化学的論点から外れることなく、授業を進めていたでしょう。
化学的な知識こそが素晴らしいものだと信じているからです。
しかし、化学知識に基づいて製造した良質のクリスタルメスが莫大な現金をもたらす現実を身にしみて体験したウォルターは、「化学=世の理を明らかにする高尚な学問」という、もともとの認識を「化学=莫大な富をもたらす金儲けの手段」という認識に無意識に転換してしまっているのです。
だからこそ、炭素の偉大さから人工ダイヤの発明がもたらした巨万の富へと話が脱線してしまうのです。
逆に言えば、この授業中のウォルターの話の脱線から、彼の化学に対する考え方の変化が見て取れるということにもなりますね。
グレッチェンとの過去の遺恨とは?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※謝罪をするウォルターと事情を聞くグレッチェン
授業を終えたあと、ウォルターはジュニアとともに帰宅するのですが、グレッチェンが訪問しているところに偶然鉢合わせます。
グレッチェンはスカイラーから身に覚えのない援助への感謝を言われたため、ことの真相を確かめにウォルター家を訪問していました。
ウォルターが見守る中、グレッチェンは真実を伝えずに治療費を援助したように振る舞ってその場を去ります。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※グレッチェンに謝罪するも事情を話すつもりのないウォルター
ウォルターは後日、グレッチェンと会い、何も言わず嘘をついて利用したことを謝りますが、ことの真相を聞き出そうとするグレッチェンの問いには答えようとしません。
グレッチェンは、勝手にこちらが援助したように嘘をついて巻き込んでおいて、それでもあなたはその理由を教える必要はないと言うの?、と食い下がって聞きますが、ウォルターは、そうだ、の一点張り。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ウォルターの態度に怒りを抑えるグレッチェン
それに対してグレッチェンはひどく戸惑い、どうしちゃったの?ウォルター、あなたらしくないわよ?、と問いかけます。
そこでウォルターはスイッチを入れたように表情を変えて、私の何を知っている、と高圧的な言葉で口火を切ると、グレッチェンとエリオットのことを批判しまくります。
お前らは私の努力と研究成果で財をなした。私を切り捨てて。と。
それは心外とばかりにグレッチェンは、違うでしょ、あなたが私を捨てたんでしょ、と不満をすべて言い返します。
ニューポートの父たちと話をしたあとにあなたが何も言わずに帰ったんじゃないの、と。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※クソくらえと言い捨てるウォルター
それから話はこじれにこじれて、グレッチェンの同情に対してウォルターが憎しみを込めてクソくらえと言い渡して終わります。
ウォルターは過去にグレッチェンと付き合っていました。
グレッチェンがウォルターを父たちのもとへ連れて行ったのはその時のことでしょう。
しかしウォルターは何も言わず帰って、それをきっかけにグレッチェンと別れてしまった。
ウォルターはグレッチェンに捨てられたといい、グレッチェンは逆と言っています。おそらくグレッチェンのほうが正しい認識なのでしょう。
とすると、ウォルターはどうしてグレッチェンの父たちに会った時、何も言わずに帰ってしまったのでしょうか?
もともとウォルターとエリオットとグレッチェンはウォルターの研究成果を使って何か事業を起こそうとした。両親への挨拶がてら、ウォルターとグレッチェンは資金の援助を頼もうと彼女の父親たちに会ってみたものの、金持ちの大人たちの新しい金儲けの道具にされそうな気がしたプライドの高いウォルターは納得がいかずに事業を降りることに(あるいは上流社会の価値観に馴染めなかったのかもしれない)。その後、グレッチェンとも考えを噛み合わせることができずに別れ、グレッチェンはエリオットとともに会社の立ち上げに奔走して恋愛関係を結ぶ。ウォルターは別の道に進むも、夢破れ気がつけば高校の教師に落ち着いていた。
こういう過去のストーリーがもしかしたら2人の間にあったのかもしれません。(あくまで予想です。)
だとしたら、ウォルターがグレッチェンに、グレッチェンがウォルターに捨てられたと思うのもなんとなく理解できます。
いずれにしても、グレッチェンとの過去の遺恨の原因はウォルターのプライドの高さや臆病さにあるようには感じます。
6話以降のストーリーでより詳しい情報が出るのを待つしかなさそうです。
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン2・6話】を視聴してみて、胸が痛くなる一連の場面がありました。(ネタバレ込み)
- 悲痛な環境に育つひとりの子供の姿
悲痛な環境に育つひとりの子供の姿
6話の中で、ジェシーは落とし前をつけるために麻薬中毒でラリってる夫婦の家に乗り込みます。
この夫婦の家は汚さの最上級といった具合に荒れ果てており、しかも小さな子どもを1人ほっといてるような状況です。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※麻薬中毒の夫婦の子供
顔は煤けたように汚れて、やせ細った子供です。
それを見たジェシーは頭を抱えます。さすがに子供の前で親を脅しにかかるのはあんまりだよな、と頭の中で思ったことでしょう。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※子供を前に気がとがめるジェシー
ジェシーは子供を憐れに思い、家にあるご飯をかき集めて食べさせてあげて、いないいないばぁをするなどして子供を笑わせようとします。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※いないいないばあをするジェシー
すると子供には笑みが浮かびます。
しかしそこでラリった夫婦が帰宅してしまい、ジェシーはやむを得ず子供を寝室に抱き運んだ後に、夫婦に銃を突きつけて、クリスタルメスを返せと脅します。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※銃を突きつけられて叫ぶ子供の母親
麻薬中毒の夫婦はメスを使ってしまい、代わりに先日盗んだATMの中の現金で弁償すると提案します。
ATMはハンマーで殴ってもなかなか開かず、イライラした夫が妻を罵りに罵り、逆上した妻がATMを押し倒して夫の顔を潰してしまいます。
妻は素知らぬ顔で夫のポケットから麻薬を取り出すと、それを摂取してソファーに横たわります。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※子供を力強く励ますジェシー
ジェシーは一連の光景に心底驚きながら、ひらいたATMからお金を取り出すと、警察に通報して子供を抱きかかえて玄関の前に座らせます。
そして一言、いい人生を歩めよ、と力強く、しかし哀れみを深く込めて言い残して去っていきます。
この悲痛な子供の境遇とジェシーの同情心を通して、麻薬中毒者の悲惨な生活を伝えるこの一連の場面を見ると、胸が痛みます。
ブレイキングバッドは麻薬で金儲けをする男の物語を描いているのですが、同時に悲惨な現実もちゃんと描いて麻薬を批判をしているところに共感を覚えます。