ブレイキングバッド【シーズン2・5話】のネタバレ解説&感想、キャスト、あらすじをまとめています!
文字通りブレイキングバッド【シーズン2・5話】のネタバレ解説&感想なので、まだ内容を知りたくない方は1.2のキャストとあらすじだけ確認して本編をご覧ください。
また独自の着眼点に基づいた解説や感想になっているので、共感する部分や見解が異なる部分が混合してあるかと思いますが、純粋に一致や差異を楽しんでいただけたら幸いです!
※前話のネタバレ解説&感想からチェックしたい方はこちらからどうぞ。
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】のキャスト
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】の主なキャストは7人です。
※前話までのそれぞれのキャストの行動も簡単に書いています。
ウォルター・ホワイト
高校の化学教師。妻・スカイラーと子供・フリンを持つ一家の主。年齢は50歳。家族の信頼を取り戻そうと、朝食作りなどのご機嫌取りをするが、見透かされてかえって疑われる。
スカイラー・ホワイト
ウォルターの妻。子供が一人。お腹に子供を宿している。マリーの姉。年齢は39歳。ウォルターの退院後、久しぶりに家族が揃ったことに喜びを感じるが、ウォルターが2台の携帯について嘘をつくために不信感を強める。ストレスからか、タバコを吸う。
ホワイト・Jr
ウォルターとスカイラーの子。父ウォルターの勤める学校に通う学生。年齢は16歳。脳性麻痺による軽度の言語症と運動障害を抱えている。足が不自由で松葉杖を使う。ウォルターと車の運転の練習をするが、危うく事故になりそうになる。
ハンク・シュレイダー
ウォルターの義理の弟。マリーの夫。DEA(麻薬取締局)のエージェント。ジェシーの車を追いかけた先でトゥコと遭遇する。激しい銃撃戦の末、トゥコを射殺する。アルバカーキ署では英雄扱いされる。
マリー・シュレイダー
スカイラーの妹。ハンクの妻。治療放射線技師として病院で勤務。虚栄心が強く、性格はふさぎがち。スカイラーのポスター作業を手伝う。盗難については未だに認めていない。
ジェシー・ピンクマン
ジャンキー。麻薬の売人。ウォルターの元教え子で麻薬ビジネスのパートナー。DEAに現金を押収された上に家族から家を追い出されてしまう。キャンピングカーを無理やり奪ってウォルターに取り分を分けてもらう。
ジェーン
ジェシーが新しく借りる賃貸の管理人。
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】のあらすじ
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】のあらすじを確認しましょう。
再びクリスタルメスの製造を始めるウォルター・ホワイトとジェシー・ピンクマン。2人はクリスタルメスの販売路を失っていたため、どのように売るのかを悩んでいた。しかし話し合いの結果、ジェシーの提案で自分たちが卸売業者になって売りさばくことになる。ジェシーの悪友達3人に売人をしてもらい、その売上の80%を2人が受け取るシステムだ。2人を中心にする新しいビジネスは順調に見えたが、ある日、問題が起きてしまう。
一方、ハンク・シュレイダーはトゥコの件で評価されて昇進の話を持ちかけられる。エルパソの特捜班で国境の作戦に従事するように言い渡されたのだ。ハンクは一見喜んでいるように装うが、トゥコの頭を撃ち抜いたことがトラウマとして残っており、翌日の出勤を病欠で休んでしまう。勇敢で強い上にユーモラスなハンクの心模様が徐々に動揺と恐れの暗色を帯び始めていく。
ここから先はネタバレを含んだ独自の解説や感想になります。
本編を見る前に内容を知るのは嫌だ!と言う方は、本編をご覧になってからここから先をお読みください。
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】のネタバレ解説
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】の解説ポイントは3つあります。(ネタバレ込み)
※あくまで独自の解説です。
- 勇敢で強いハンクにも恐れがある
- ウォルターとハンクの犯罪者への考え方の違い
- ウォルターに対するスカイラーの不信感はさらに強まる
勇敢で強いハンクにも恐れがある
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※昇進に喜ぶふりをするハンク
トゥコを撃ち抜いたことを評価されたハンクは、エルパソの特捜班に赴いて、国境の作戦に従事するように上司から言われます。
つまり昇進を持ちかけられました。
それを受けて、ハンクは相棒のゴメスや職場の仲間にとても嬉しそうに振る舞っています。
しかし部屋を離れて、エレベーターの中に1人になったハンクは表情をみるみるこわばらせていき、パニック症状にも似た動悸に襲われます。
今までのハンクには見られなかった性格がここにきて現れてきます。
エレベーターが開いて何度か呼吸を整えたあと、ハンクは元の陽気なハンクに戻り、エントランスに待っていたゴメスたちと合流して外へ出ていきます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※病欠して自家製ビールを作るハンク
しかし、昇進を持ちかけられた翌日、ハンクは病欠で仕事を休みます。
心配になったマリーがガレージの車庫を開けて、どうしちゃったのよ、と声をかけます。今まで待ち望んでいた昇進の話の翌日に病欠?
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※病欠したハンクを心配するマリー
ハンクは無理に陽気な自分を取り繕い、大丈夫だよ、と言うも、マリーはなんだか納得がいかない模様。クエッションマークのついた表情のまま外に出てガレージを閉めます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ビール瓶の破裂音を銃声と勘違いするハンク
ある日、ハンクは夜中に銃声が聞こえてぱっと目が覚めると、ナイトテーブルの引き出しから銃を取り出してガレージの方に向かいます。
表情は神経が高ぶっているようにこわばっています。
結局、音はビール瓶の破裂音だと分かり、マリーが呆れた顔を浮かべます。
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※トゥコのグリルを河に捨てるハンク
最終的に、ハンクは記念品としてもらったトゥコのグリルを河に投げ捨てます。
今までのシーズンのハンクはちょっと下品なユーモラスと勇敢さと強さを備えた人物として僕の目にも映っていたので、当然ハンクにとって昇進はグッドニュースなんだろうなと思っていました。
しかしシーズン2の5話が進むにつれて、ハンクはむしろ昇進するのを恐れているのが分かりました。
ハンクにとってトゥコを撃ち殺した事件は誇りではなくて、むしろトラウマとして心に残っているんですね。
ハンクにも普通の生身の人間と同じように弱い部分があるのが出てきます。
ウォルターとハンクの犯罪者への考え方の違い
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※犯罪者の顔をするウォルター
ウォルター一家がハンクの家に遊びに来てバーベキューをするシーンがあります。
そこでジュニアは悪党を打ち倒したなんてすごいね、とハンクを褒めます。
ハンクはちょっと気まずい表情を浮かべながらもいつものハンクを装います。
ゴキブリが家の中に出たら叩き潰すだろう?そういうことをしただけだよ、と。
その言葉に引っかかったウォルターはハンクに問います。犯罪者はいつどのようにして犯罪者になるのだろう?と。
ハンクはそれには答えずに、ゴキブリは世界中にどこにでもいる、と言ってその場を去ります。
ウォルターは自分がそうであったように犯罪者には犯罪者になる理由があるのだと言いたいわけです。しかも正しい動機のもと、そうなる人もいるのだとほのめかすようにして。
しかし、ハンクはゴキブリはゴキブリであっていつゴキブリになったのかなんて大事なことじゃない。ゴキブリはいたらしっかり駆除をしなくてはいけないんだ、という考えを持っているのが伺えます。
犯罪者側の犯罪者に対する考え方と取り締まる側の犯罪者に対する考え方の違いがよく出ています。
ウォルターに対するスカイラーの不信感はさらに強まる
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5話の最後のあたりで、スカイラーがソファーに重心を預けて、塩分多めのトーストを食べながら読書しているシーンがあります。
ウォルターは妊婦が塩分多めの食事をするのはよくなんじゃないかと軽く言うも、スカイラーは少しくらいは大丈夫よ、と返します。
その後も、ウォルターはジュニアが何時に帰ってくるのかを把握していないスカイラーに対して、母親として子供のことくらい把握しておかないと、とちくちく言うと、スカイラーはすかさず、あなたが父親なんだから電話して聞けばいいじゃないと言い返します。
少しずつ2人の感情が不満を経て怒りへと変わっていく先で、とうとうウォルターは空のタバコの箱をスカイラーに突きつけます。タバコを吸っているだろう?
スカイラーは、覚えてないわ、と返します。吸っていたかもしれないけど、記憶にないからわからないわ、と。
ウォルターが記憶喪失を装い、隠し事を何も話さないことを真似て批判しているわけです。
ウォルターは、らしくないぞ、と言うも、スカイラーは、あなたに言われたくないわ、と怒りをあらわにします。自分が恥ずかしい!という言葉も添えて。
そして部屋に帰ってしまいます。
スカイラーはウォルターにやられたことをやり返して、嘘をつかれて何かを隠されている側の気持ちをウォルターに知ってもらって改めてもらいたいんです。
にもかかわらず、ウォルターは自分のことを棚に上げて、スカイラーのことを批判してばかり。スカイラーからしたらこんなに恥ずかしいことをよくもあなたは押し通せるわね、ということなんだと思います。
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】のネタバレ感想
ブレイキングバッド【シーズン2・5話】を視聴してみて、印象に残ったシーンが2つあります。(ネタバレ込み)
- マリーがようやく謝罪した
- ウォルターの最後のシーン
マリーがようやく謝罪した
長い間、盗難を認めなかったマリーがようやくスカイラーに謝罪をしました。
マリーがスカイラーに迷惑をかけているのは明らかなのに、あまりにも自分勝手で虚栄心が強いため、ずっと白々しい態度を取ってきた分、この姉妹の関係が戻ってくれたのは僕としてもよかったなと思うばかりでした。
スカイラーが一方的に謝罪をしてと問い詰めても頑なに認めなかったマリーでしたが、スカイラーから仲直りしたいと2人の関係を心から修復したい気持ちを正直に伝えられると、涙を流して謝罪しました。
温かい求めが姉妹の軋轢を緩和してくれる様がよく伝わるシーンでした。
ウォルターの最後のシーン
引用元:Youtube公式チャンネル「Breaking Bad & Better Call Saul」※ジェシーに拳銃を渡すウォルター
ウォルターの最後のシーンはちょっと怖くて印象に残っています。
トゥコの件もあって、暴力的に何かを解決しようとすることに賛同できなかったウォルターが銃をテーブルの上に置いて、落とし前をつけてこいとジェシーに伝えるシーンはまさに悪人です。
ウォルターの内面が徐々に悪人っぽく変わっていくのが見えてきます。